中古スマホの購入を検討する際、機種変更を自身で行わなければいけません。これまでキャリアで新品のスマホを購入していた場合、携帯ショップなどの窓口で機種変更をしてもらっていた方も多く、「機種変更を自分でできるか」「どのように自分で機種変更をするのか」など疑問に思うことがありますよね。
これらの理由から、価格が安価な中古スマホを検討しているものの、機種変更の方法が分からないため、なかなか購入に踏み切れない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、中古スマホの機種変更を自身でおこなう手順や注意点について、解説します。中古スマホを購入し機種変更を自分で進めたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
中古スマホへの機種変更を自分でおこなうのは難しくない
結論、中古スマホの機種変更を自分でおこなうのは、方法さえ理解していれば難しくありません。
中古スマホの機種変更が自身でおこなうことができれば、スマホ本体の購入金額を抑えられるため、費用面において大きなメリットとなります。
とはいえ、事前に確認しておくべきポイントや注意点などがあるので、機種変更を進める前に確認しておきましょう。
中古スマホへの機種変更を自分でおこなう手順
本章では、中古スマホの機種変更を自分でおこなう手順について紹介します。中古スマホへの機種変更を進める際には、次の手順に沿って進めていくとよいでしょう。
- 旧スマホでバックアップデータをとる
- SIMカードを差し替える
- 初期設定をする
- バックアップデータを移行する
- 一部のアプリについては個別にデータを引き継ぐ
- MVNOなどでAPN設定が必要な場合は、設定を行う
- 設定完了後に問題なく使えるか確認する
それぞれの詳細について、解説していきます。
旧スマホでバックアップデータをとる
中古スマホの機種変更をおこなうためには、まず旧スマホで済ませておくべき作業があります。旧スマホのデータを新しく利用するスマホに移すために、バックアップデータをとっておきましょう。
バックアップデータをとる方法としては、以下の方法が挙げられます。
- パソコンにデータをコピーする
- SDメモリーカードにデータをコピーする
- クラウドストレージサービスにデータを移す
上記の方法であればどれでもバックアップできるため、自分が進めやすい方法でバックアップデータをとっておきましょう。
しかし、LINEやスマホ決済アプリなどバックアップデータをとるだけでは引き継げないものが複数あることには注意が必要です。
また、iPhoneもしくはAndroidでしか使用できないアプリもあります。バックアップデータを取るだけでは引き継げないアプリの詳細については、後述の「バックアップデータを移行する」で詳しく紹介します。
SIMカードを差し替える
SIMカードを差し替えれば、基本的に中古スマホは使えるようになります。
- 旧スマホのSIMカードを抜く
- 新スマホにSIMカードを挿す
旧スマホのSIMカードを抜く際、また新スマホにSIMカードを挿入する場合には、必ず端末の電源を切った上で進めましょう。電源を落とさずにSIMカードを抜き差ししてしまうと、スマホの中のメイン基板や本体に負荷がかかってしまいます。
電源が突然落ちてしまう、電気回路がショートしてしまうなどのトラブルに発展する可能性があるので、必ず電源を落としたことを確認した上でSIMカードを抜き差ししましょう。
またSIMカードを抜き差しする際には、金属部分には触れないように注意しなければなりません。スマホは、金属部分が本体基板の端子と接触することで機能しています。
その金属部分を不用意に触れてしまうと、水分や指先の皮脂などでSIMカードの金属部分が錆びてしまい使えなくなる可能性があります。
十分に注意しながら、SIMカードの抜き差しを進めましょう。
初期設定をする
SIMカードを差し替えたら、表示される画面の指示のとおりに設定を進めましょう。
- 言語選択
- Wi-Fiネットワーク設定
- アカウント情報の設定
設定は画面に表示されるとおりに進めるだけなので、難しいものではありません。新スマホの画面に表示されている案内に従って、慎重に進めましょう。
バックアップデータを移行する
初期設定を終えたら、旧スマホのバックアップデータを移行しましょう。同じ機種同士、もしくは異なる機種間なのかで手順は異なります。
OSが異なる場合は、とくに注意が必要です。
- iPhoneからiPhoneに移行する場合
- AndroidからAndroidに移行する場合
- iPhoneからAndroidに移行する場合
- AndroidからiPhoneに移行する場合
それぞれの詳細について、解説していきます。
iPhoneからiPhoneに移行する場合
iPhoneからiPhoneへ移行する場合は、クイックスタートでの移行がおすすめです。簡単に移行できるので、可能であればクイックスタートで移行しましょう。
クイックスタートでの移行方法は、以下のとおりです。
- 移行先iPhoneの電源を入れて移行元iPhoneの近くに置く
- 移行元iPhoneにクイックスタートの画面が表れたら「続ける」をタップ
- 移行先iPhoneに表示される画像を移行元iPhoneのカメラでスキャン
- 移行元iPhoneのパスコードを移行先iPhoneに入力
クイックスタートで移行できない場合は、iTunesやiCloudで移行する方法もあります。
AndroidからAndroidに移行する場合
AndroidからAndroidへ移行する場合は、自動バックアップ、手動バックアップでの移行になります。自動バックアップの手順は以下になるので、自動で済ませたい人は確認しておきましょう。
- 旧端末で「設定」→「Google」をタップ
- 「バックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップ」をタップ
- 新端末の電源をオンにし[言語]を確認し【始める】を選択
- 自宅などの信頼できるWi-Fiに接続
- アプリとデータコピーより【次へ】を選択
- 旧機種と新旧の機種をUSBケーブルで接続
- 接続後に新旧の画面に表示内容に沿って操作を進める
- 本人確認を行う
- コピーする項目の選択で[対象の項目]をチェックし【コピー】を選択
- 画面の指示に従って初期設定を続けると最後に移行の結果が表示
Googleドライブ・Dropboxなどのアプリを使用することで手動でのバックアップ、移行が可能になります。
ここでは、Googleドライブを使用したデータ移行手順を紹介します。
- 旧スマホの「ドライブ」アプリをタップする
- メニューをタップ
- アプリをタップ
- 移したい写真を選択
- 選択した写真をアップロード
- 新スマホでGoogleドライブにアクセス
- アップロードした写真を表示
- 写真を新スマホにダウンロード
Google ドライブやフォトライブラリにバックアップされるものは以下に限定されるため、注意しましょう。
- 画像
- 動画
- 音声
- ドキュメントファイル
上記以外に当てはまるものに関しては、Googleアカウントにログインし、バックアップを取り移行するという方法がおすすめです。
iPhoneからAndroidに移行する場合
iPhoneからAndroidに移行する場合は、ケーブルで端末同士を接続する、もしくはアプリを使用して移行する方法の2種類になります。
しかし、ケーブルでの移行もしくはアプリでの移行をしても、移行できないアプリは多くあります。
その場合は、GoogleドライブやiCloudを活用して、移行を進めましょう。
AndroidからiPhoneに移行する場合
AndroidからiPhoneへ移行するには、Move to iOSを活用するのがおすすめです。
- 新旧両方の端末でアプリを開き、利用条件に同意する
- iPhoneで「Androidからデータを移行」を選択
- iPhoneの画面に表示されたコードをAndroidに入力
- 移行したいデータを選択
- 移行を開始する
- データ移行完了
Move to iOSを用いた移行では、Google Playで提供されているゲームやお財布ケータイのデータは移行できません。
ほかには、Googleアカウントにログインし、Googleドライブで移行するという方法もあります。自分がおこないやすい方法でデータ移行を進めましょう。
一部のアプリについては個別にデータを引き継ぐ
一部アプリの中には、移行作業では移行できず、引き継ぎが必要なものが複数あります。個別での対応が必要となるアプリを以下で紹介しているので、現在利用しているものがあればご確認ください。
LINEアプリ
LINEアプリは、個別でデータの引き継ぎが必要です。
データの引き継ぎを旧スマホで事前にしておかなかった場合、トーク履歴が消えてしまうので、注意しなければなりません。
- 新旧両方の端末でアプリを開き、利用条件に同意する
- iPhoneで「Androidからデータを移行」を選択
- iPhoneの画面に表示されたコードをAndroidに入力
- 移行したいデータを選択
- 移行を開始する
- データ移行完了
事前に引き継ぎをしておくと、新スマホに変えた後も、トーク履歴の閲覧が可能となります。
Applepay・おサイフケータイなどのスマホ決済アプリ
モバイルSuicaを含む一部のスマホ決済アプリは、引き継ぎ対応が必要です。
引き継いでおかなかった場合は溜まっているポイントなどが消滅してしまう可能性があるので、注意しなければなりません。
以下のアプリに関しては引き継ぎが必要となるため、利用しているものが含まれている場合はチェックしておきましょう。
- Applepay
- おサイフケータイ
- 楽天Edy
- モバイルSuica
- iD
- WAON
- nanaco
- QUICPay
- モバイルPASMO
上記のアプリは、機種変更を進める前に旧スマホでデータをサーバーにアップ、引き継ぎ番号の取得などが求められることもあります。
新端末へ機種変更した後に、データのダウンロードや取得した番号を入力するなどして、情報を引き継ぎましょう。
一部のゲームアプリ
一部のゲームアプリは、引き継ぎが必要です。引き継ぎを済ませずに機種変更を進めた場合、データが消えてしまう可能性があるので注意しましょう。
以下のゲームは、機種変更の前に引き継ぎが必要となるものの一例です。
- 星のドラゴンクエスト
- モンスターストライク
- グランブルーファンタジー
- キャンディークラッシュソーダ
- パズル&ドラゴンズ
- ぷよぷよ!!クエスト
- トゥーンブラスト/トイブラスト
- 荒野行動
- ウマ娘 プリティダービー
- ポケモンGO!
- 妖怪ウォッチ ワールド
- アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ
- ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル
また、アカウントの引き継ぎ方法はゲームによって異なるため、各アプリごとに引継ぎ方法を確認して進めましょう。
- Googleプレイで連携
- X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSアカウントで連携
- Apple IDに連携
- IDとパスワードを設定しておく
多くの場合、上記のいずれかの方法で引き継ぎが可能です。
新スマホへと引き継ぎたいゲームの引き継ぎ方法を確認し、事前に引き継いでおきましょう。
格安SIMなどはAPN設定をする
格安SIMの場合は、APN設定が必要です。
APN設定は端末で通信を利用するための大事な工程なので、格安SIMを利用する場合は必ずおこないましょう。iPhoneのAPN設定は、プロファイルのインストールによって完了します。
Androidスマホの場合は、以下の手順に沿って設定を進めましょう。
- 「設定」をタップ
- 「接続」をタップ
- 「モバイルネットワーク」をタップ
- 「APN」をタップ
- 右上に表示されている「追加」をタップ
- 格安SIM事業者から提供されているAPNの情報を入力
- 右上の「︙」をタップ
- 「保存」をタップ
- 自分で入力した APN をタップ
格安SIMの場合、APN設定をしなければ使えるようになりません。
APN設定は忘れずに対応しましょう。
MVNOなどでAPN設定が必要な場合は、設定をしなければ使えない
MVNOは、基本的にAPN設定が必要です。MVNOの中にはAPN設定が不要なものがありますが、多くの場合必要になると理解しておきましょう。
iPhoneのAPN設定は、プロファイルのインストールによって完了します。
Androidスマホの場合は以下の手順に沿って設定を進めましょう。
- 「設定」をタップ
- 「接続」をタップ
- 「モバイルネットワーク」をタップ
- 「APN」をタップ
- 右上に表示されている「追加」をタップ
- 格安SIM事業者から提供されているAPNの情報を入力
- 右上の「︙」をタップ
- 「保存」をタップ
- 自分で入力した APN をタップ
格安SIMのAPN設定と同じ手順で進めてください。MVNOの中でもAPN設定が必要なものを利用する場合は、必ず対応しましょう。
設定完了後に問題なく使えるか確認する
すべての設定が完了したら、問題なく使えるかを確認しましょう。
- データ通信ができているか
- 発着信ができているか
- データ移行が完全にできているか
上記の点を確認し、問題がなければ旧スマホから新スマホへの移行が完了したということになります。
中古スマホへの機種変更を自分でおこなう前に確認すべき点
中古スマホへの機種変更を自身でおこなう場合、事前に確認しておくべき点が複数あります。
- SIMのサイズは合っているか
- SIMロックは解除されているか
- 周波数帯が対応している機種か
- キャリアで契約中のプランの変更は必要か
それぞれの詳細について解説していきます。
SIMのサイズは合っているか
SIMのサイズが合っていない場合、そのままでは使えません。SIMのサイズは3種類あるので、間違えて挿入しないよう十分に注意しましょう。
- 標準 SIM
- micro SIM
- nano SIM
サイズが合っていないSIMが届いてしまった場合、通信会社に変更を申し込む必要があります。サイズ変更にかかる費用は2,000円〜3,000円程度になるケースがほとんどでしょう。
自身でサイズを変更する場合は、「SIMカッター」もしくは「SIM(変換)アダプター」が必要となります。SIMのサイズを間違えてしまった場合は、上記のどちらかで対応しましょう。
SIMロックは解除されているか
キャリアが異なる場合、SIMロックが解除されていなければ使えません。
SIMロックが解除されている端末を購入した場合は問題ありませんが、キャリアで購入した端末などに関しては注意が必要です。
SIMロックの解除は
- 店舗でロック解除を依頼する
- 自身で公式WEBサイトからSIMロックの解除を申し込む
の2通りとなります。
2021年8月の総務省によるガイドライン改定により、2023年10月1日以降、SIMロックの解除は原則無料化が義務付けられてます。そのため、自力で解除する場合だけでなく、店舗で解除を依頼する場合でも無料で解除できます。
参考:移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン|総務省
周波数帯が対応している機種か
キャリアと機種の組み合わせ次第では、周波数の影響で電波がつながりにくくなることがあります。
同じ機種だったとしても販売元キャリアによって周波数帯は異なるので、注意しなければなりません。周波数はバンドで表記されるのが一般的で、バンドは1、3、8、18、19、26の6種類に分かれています。
すべてのバンドに対応している端末であればどのSIMカードでも問題なく使えますが、バンドが限定されているものに関しては事前に確認しておくのがよいでしょう。
バンド19はドコモのみ、バンド8はソフトバンクのみなど限定されているケースも少なくありません。
周波数帯が利用しているキャリアに対応しているスマホなのか、事前に確認しておきましょう。
キャリアで契約中のプランの変更は必要か
キャリアで契約しているプランは、変更が必要となる場合があります。
たとえば3G・4G→5Gへの変更、ガラケー→スマホへの機種変更の場合はプラン変更が必要です。
プラン変更によって月額料金が変わるだけでなく、手数料もかかる可能性があります。
異なる周波数のスマホへの変更、もしくはガラケーからスマホなど異なる端末への乗り換えの場合は、プラン変更が必要になるかどうかを事前に確認しておきましょう。
中古スマホの端末自体に問題がある可能性もあるので注意
中古で購入するスマホは、スマホそのものに問題がある可能性も低くありません。見た目が綺麗だとしても、内部に問題があれば使用できません。
とくに赤ロムと呼ばれるキャリアからネットワーク制限をかけられているスマホなどを購入してしまうと通常利用ができないので、注意が必要です。
水没や画面割れによる不具合を抱えている端末が販売されているケースもあるので、購入は慎重に進めましょう。
以下で、対処法について解説していきます。
赤ロムのリスクを避けるため赤ロム保証のある販売店から買う
赤ロムは見た目では分からないものなので、素人が判断するのは簡単ではありません。
赤ロムのリスクを避けるためには、赤ロム保証のある販売店で購入するほうが好ましいでしょう。販売店によっては保証制度があるため、とくに赤ロム保証の有無は確認をして購入するとよいです。
赤ロムを含むその他初期不良に備えるためには保証付き端末を購入すると更によいでしょう。
充電の減りが早いためバッテリーの最大容量80%未満の端末は避ける
快適にスマホを使うためにも、最大容量が80%を上回るバッテリーを選択してください。80%未満のバッテリーは充電の減りが早すぎるため、避けるのが無難でしょう。
商品を手に取れる場合は、バッテリーの最大容量を確認できます。バッテリーの最大容量の確認方法は以下のとおりです。
Androidのバッテリー最大容量の確認方法
- 「バッテリー」を選択してタップ
- 「バッテリーの状態」
- 「最大容量」の数値を確認
iPhoneの最大容量の確認方法は以下のとおりです。
- 「設定アプリ」を開く
- 「バッテリー」の項目をタップ
- 「バッテリーの状態」の項目をタップ
- 「最大容量」「ピークパフォーマンス性能」をチェック
中古スマホを購入する場合は、必ず上記の手順でバッテリーの最大容量を確認しましょう。
購入後のトラブルに備えるためスマホ保険を活用する
中古スマホの場合、メーカー保証などは受けられません。万が一の場合に備えるために、スマホ保険を活用することがおすすめです。
スマホ保険の場合、中古スマホでも機種変更時に加入できるので、安心して利用できるでしょう。
保険内容は企業によって異なりますが、一般的な保証内容は以下のとおりです。
- 自然故障
- 水没
- 破損
- 紛失
- 盗難
メーカー保証は、自然故障のみが対象となるケースが主となります。
しかし、スマホ保険の場合は水没や破損、紛失や盗難など幅広いトラブルに対応しているケースがほとんどでしょう。万が一の事態に備えられるので、中古スマホで機種変更する場合は加入しておいたほうが安心できます。
まとめ
本記事では、中古スマホの機種変更を自身でおこなう手順やデータ移行の方法、注意点などを紹介しました。
中古スマホの機種変更は、SIMカードを差し替えて設定するだけというものが増えたので、以前よりも随分と簡単になっています。
難しい工程は特にないため、手順さえ知っていれば問題なく進められるでしょう。スマホを中古で購入し自身で機種変更したいという方は、ぜひ参考にしてください。