「iPhoneが膨らんでいるような気がする」「iPhoneの画面が浮いてきた」と感じる場合、それはiPhoneのバッテリーが膨張しているサインかもしれません。
長年iPhoneを利用していると、バッテリーが劣化し、その影響でバッテリーが膨張する場合があります。
バッテリーの膨張をそのまま放置してしまうと、発火や爆発、故障のリスクが高まるため、正しい対処法をおこなうことが重要です。
本記事では、iPhoneのバッテリーが膨張する主な原因や対処法などについて詳しく解説します。iPhoneのバッテリーが膨張した際のNG行動や、膨張を防ぐための対策法などもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
iPhoneのバッテリーが膨張することによるリスク
iPhoneのバッテリーの膨張には、以下のようなリスクが挙げられます。
- バッテリーの発火・爆発の危険性
- 機能面の不具合
iPhoneのバッテリーが膨らんでいるときはなるべく使用を控え、Appleや修理受付店に相談しましょう。
それぞれのリスクについて詳しく解説していきます。
バッテリーの発火・爆発の危険性
iPhoneのバッテリーが膨張しているにもかかわらず、そのままにしておくと、発火や爆発が起こる可能性があります。
iPhoneのバッテリーに使用されているリチウムイオン電池は小型軽量で、何度でも繰り返し充電できるなどのメリットがある反面、燃えやすいという発火リスクを抱えています。
リチウムイオン電池には、劣化するとガスが生じる特性があり、ガスが充満しiPhoneのバッテリーが膨張し続けてしまうと、発火・爆発につながりかねません。
実際、iPhoneを含むスマホの発火・爆発などの事故は世界中で報告されており、日本でもiPhoneの爆発による死亡事故がありました。
iPhoneのバッテリー膨張をそのままにしておくことは、絶対に避けるべきです。
参考:リチウムイオン電池等の発火物が原因になる発煙・発火トラブル|公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会
機能面の不具合
iPhoneのバッテリーが膨張すると、iPhone内部が圧迫されるため、機能面の不具合やトラブルが生じる場合があります。
とくに、以下4つの症状は、劣化によりバッテリーが膨張している際に起こりがちです。
- 再起動を繰り返す
- 充電に不具合が生じる
- 液晶に不具合が生じる
- 起動しなくなる
該当の症状が生じている場合は、まずはバッテリーが膨張していないかを確認してみましょう。
iPhoneのバッテリーが膨張している際に出やすい症状について、詳しく解説していきます。
再起動を繰り返す
iPhoneのバッテリーの膨張をそのまま放置してしまうと、本体の再起動を繰り返す場合があります。
先述したとおり、iPhoneのバッテリーの膨張は、劣化が要因の1つです。
バッテリーが劣化し、正しく電気が供給されなくなると、電源の再起動を繰り返したり、最悪の場合は再起動ループに陥り操作ができなくなったりする可能性があります。
操作ができなくなると、いざ修理に出そうとしても、データのバックアップを取ることすら難しくなってしまうでしょう。
充電に不具合が生じる
iPhoneのバッテリーの膨張をそのまま放置してしまうと、充電に不具合が生じる可能性があります。
バッテリーが膨張する要因の1つとして挙げられるのが、「バッテリーの劣化」です。
バッテリーが劣化すると蓄電できなくなるため、しっかり充電しているのにもかかわらずすぐに充電が減ってしまったり、充電器をつないでも充電できなかったり、といった症状が発生しやすくなります。
iPhoneのバッテリーが膨張しているにもかかわらず、そのまま使用したり充電したりすると、iPhone本体が熱を帯び、膨張をますます増長させてしまうことも考えられるでしょう。バッテリーが膨張し続けてしまうと、先述のとおり発火・爆発につながる可能性が高くなり、大変危険です。
液晶に不具合が生じる
iPhoneのバッテリーが膨張すると、液晶画面に不具合が生じることもあります。
バッテリーの膨張によって液晶画面が押し上げられ、本体に隙間ができてしまうため、タッチしてもなかなか反応しなかったり、液晶の表示が乱れたりする症状が出やすくなるのです。
バッテリーの膨張によって液晶に不具合が生じると、画面自体の強度も落ちてしまいます。
最悪の場合、ちょっとした衝撃でも液晶画面が割れやすくなってしまうことも考えられるでしょう。
起動しなくなる
iPhoneのバッテリーが膨張すると、起動しなくなる可能性も否めません。
先述のとおり、バッテリーの膨張により液晶画面が押し上げられると、iPhone本体に隙間ができてしまうことがあります。
iPhone本体の隙間から細かいほこりや水分が混入すると、内部部品の破損や腐食などが起こり、起動できないなどの症状が起こりやすくなるでしょう。
また、バッテリーの膨張により内部コネクタが破損したり変形したりすると、接触不良や充電ができないなどの不具合が生じる可能性も高まります。本体の隙間によって、通常よりも水没しやすい状態にもなってしまいます。
iPhoneのバッテリーが膨張してしまう原因
バッテリーが膨張する原因は、基本的にはiPhoneなどのスマホに使われているリチウムイオン電池の劣化によるものです。
リチウムイオン電池は、正極・負極・セパレーター・電解液で構成されており、リチウムイオンが電解液の中を通り、正極と負極の間を行ったり来たりすることで、充電電流・放電電流が流れます。
充電・放電を繰り返すことでバッテリーが劣化すると、電解液が酸化しガスが発生します。そのガスが電池内部に溜まることによって、バッテリーが膨らんでしまうのです。
iPhoneのバッテリーが膨張した場合の対処法
バッテリーが膨張している場合は、バッテリー交換以外の対処法はありません。
先述のとおり、バッテリーの膨張の原因は、多くが劣化によるものです。
iPhoneのバッテリーを劣化しにくくする手段はあるものの、すでに膨張しているバッテリーについては、食い止める方法はないといえます。
そのまま放置してしまうと、iPhoneに不具合が生じてしまうばかりか、最悪の場合、発火・爆発の危険性も考えられるでしょう。したがって、バッテリーの膨張が見られる場合には、一刻も早くバッテリー交換をおこなうことをおすすめします。
なお、バッテリーの膨張のみであればバッテリー交換で済む場合がほとんどですが、iPhone本体が破損したり故障したりしている場合は、バッテリー交換とあわせて本体修理が必要となる可能性が高いです。破損や本体の故障箇所によっては、買い換えなければいけないこともあります。
バッテリー交換までの応急処置
iPhoneのバッテリーが膨張している場合は、一刻も早くバッテリー交換や修理に出すことが望ましいですが、事情があり今すぐ修理に出すのが難しいこともあるでしょう。その場合、応急処置としてやっておくべきことがあります。
まずは、バッテリーがこれ以上膨張しないよう、iPhoneの使用を控え、電源は切った状態にすること、熱を帯びやすい充電はしないことが重要です。
iPhoneのバッテリーの膨張は、充電と放電の繰り返しによりバッテリーが劣化し、ガスが発生することで起こると解説しました。iPhoneを使い続けると劣化を進めてしまい、バッテリーの膨張が悪化する可能性があるため、電源を切った状態でなるべく使わないようにするほか、充電も避けるべきでしょう。
また、発火・爆発のリスクを避けるためにも、ストーブの側や車のダッシュボードの上など、急激な温度変化が起こる場所には置かないようにしましょう。
バッテリーの膨張で生じた本体の隙間にほこりや水分などが侵入してしまうと、それが発火や不具合の原因となることも考えられます。そのため、マスキングテープなどで隙間を優しくカバーしておくといいでしょう。
後ほど詳しく解説しますが、隙間を塞ぐ際には押さえつけないようにし、あくまで、隙間部分をカバーすることを意識するようにしてください。
iPhoneのバッテリーが膨張した際のNG行動
iPhoneのバッテリーが膨張した際のNG行動について詳しく解説します。
内容は以下の4つです。
- NG行動1.放置する
- NG行動2.テープなどで押さえつける
- NG行動3.充電する
- NG行動4.急激に冷やす
iPhoneのバッテリーの膨張は、iPhoneに使用されているリチウムイオン電池の特性のため仕方がないことではありますが、間違った対処方法をおこなってしまうと非常に危険です。それぞれのNG行動をしっかりと把握しておきましょう。
NG行動1.放置する
iPhoneのバッテリーが膨張しているにもかかわらず、そのまま放置することはNGです。先述のとおり、iPhoneのバッテリーは充電・放電を繰り返すたびに徐々に劣化し、ガスが発生することで膨張が生じます。
そのまま放置したり、バッテリーが膨張したまま使用したりすると、さらにガスが充満し不具合が起きる可能性が高いです。最悪の場合、発火・爆発に繋がる恐れも考えられます。
そのため、iPhoneのバッテリーの膨張が見られる場合には、早急にバッテリー交換もしくは修理をおこなうことが重要です。
すぐにバッテリー交換や修理ができない場合には、iPhoneの使用を控えて電源を切ること、充電しないこと、本体に隙間がある場合には優しくカバーするようにしましょう。
NG行動2.テープなどで押さえつける
膨張部分を戻すために、テープなどで無理やり押さえつけることはやめましょう。
iPhoneのバッテリーの膨張により、液晶画面が押し上げられ、本体に隙間が生じてしまうと、それをなんとか元に戻そうと思ってしまいがちです。
しかし、その隙間をなくそう、戻そうとテープなどで無理やり押さえつけてしまうと、液晶画面のゆがみや割れが余計に酷くなる可能性があるため、おすすめできません。
また、強く押さえつけてしまうことで、外部からの圧力によりバッテリーの皮膜が破れ、発煙や発火、異臭を招くリスクが高まるため、大変危険です。
先述したとおり、バッテリーの膨張でできた液晶画面の浮きや隙間は、ほこりや水分が侵入しないようカバーする程度に留め、強く押し付けないようにしましょう。
接着剤などで液晶画面や本体を貼り付けることもNGです。接着剤が本体内部に入り込み、液晶内部や基盤などを傷つけてしまう可能性があります。
NG行動3.充電する
iPhoneのバッテリーが膨張し液晶画面が浮いている状態のときには、充電することも避けるべきです。
先述のとおり、バッテリーが膨張する要因の1つは、バッテリーの劣化により内部にガスが充満することです。その状態で、バッテリーを充電してしまうと、さらにガスが発生し、膨張が進んでしまう可能性があります。
また、充電によりiPhoneのバッテリーや本体が熱を帯びるため、発火・爆発を誘発するリスクもあるでしょう。したがって、iPhoneのバッテリーが膨張している場合は、使用を控えるほか、充電しないことが重要といえます。
NG行動4.急激に冷やす
バッテリーが膨張し、iPhone本体が熱くなっているからといって、急激に冷やすことはNGです。
バッテリーが膨張したiPhoneの場合、本体そのものが熱くなっているケースも少なくありません。しかし、冷蔵庫に入れたり保冷剤を使ったりなどの方法で急激に冷やしてしまうと、内部に結露が発生し、水没故障が起きてしまう可能性があります。
iPhone本体が発熱している場合には、まずは電源を切り、風通しのいい場所に放置するなど、ゆるやかに冷やしましょう。このとき、iPhoneケースやカバーを外し、熱が逃げやすくすることも有効です。
iPhoneのバッテリーが膨張した場合の修理場所
ここからは、iPhoneのバッテリーが膨張した場合の修理場所について、詳しく解説していきます。
主な修理場所は以下の3つです。
- 修理場所1.Apple Store・Apple正規サービスプロバイダ店
- 修理場所2.各キャリアショップ
- 修理場所3.非正規修理店
なお、修理場所によって、バッテリー交換の費用や日数、受付店舗数、信頼度などは異なります。それぞれの特徴やメリットを把握し、自分に合った修理場所を選ぶようにしましょう。
修理場所1.Apple Store・Apple正規サービスプロバイダ店
Apple Store・Apple正規サービスプロバイダ店は、純正のパーツを取り扱っており、安心度・信頼度が高いことが特徴です。
Apple Store・Apple正規サービスプロバイダ店は、Appleが認定した純正のパーツのみを使用しています。その上、Appleが定めた手順に沿って専門スタッフが修理やバッテリー交換をおこなうため、修理や部品の質が気になる方でも安心して修理に出せるでしょう。
また、AppleCare+に加入しており、かつバッテリー容量が80%未満に低下している場合は、無償でバッテリー交換が可能です。修理サービス後の保証も設けられており、修理完了後90日間は、修理中に生じた不具合に対する保証がなされます。
一方で、純正パーツが使用されていたり、専門のスタッフが対応したりと安心感が高い分、AppleCare+が適用されない場合の修理やバッテリー交換の費用は、非正規修理店よりも高額になりがちです。飛び込みでの交換・修理は難しく、事前の予約が必要になることも多いため、急いでいる場合には適さないでしょう。
参考:iPhone のバッテリーサービス (バッテリー交換)|Apple
参考:【Apple正規修理サービス】iPhone修理|カメラのキタムラ
参考:iPhone修理・画面・バッテリー交換 Apple正規修理サービス|ビックカメラ
参考:クイックガレージ
修理場所2.各キャリアショップ
docomo・au・SoftBankといった携帯キャリアショップの店頭修理サービスでも、バッテリーや修理に対応しています。
各キャリアショップの店頭修理サービスは、Apple正規サービスプロバイダ店と同様、Appleが認定したiPhoneの正規修理窓口となっているほか、修理やバッテリー交換完了後の保証も設けられています。安心感・信頼感が高いことが、何よりのメリットといえるでしょう。
さらに、Appleが提供する1年の製品保証適用外であっても、各キャリアの有償の補償サービスに加入していれば、比較的安価な価格でバッテリー交換できる場合もあります。
docomoでは、ケータイ補償サービスまたはsmartあんしん補償サービスに加入していれば、6,600円もしくは8,250円を上限としてバッテリー交換が可能です。
auは、auスマートパスプレミアム会員かつ、故障紛失サポート with AppleCare Services & iCloud+または故障紛失サポート with AppleCare Servicesに加入すると、1年に2回まで、修理代金のサポートとして最大12,900円分相当のPontaポイントが付与されます。
SoftBankでは、あんしん保証パック with AppleCare Servicesに加入中であれば、修理代金の上限が12,900円となるほか、修理代金相当のPayPayポイントが全額付与される仕組みです。
ただし、店頭修理サービスをおこなっている店舗はごく一部に限られているほか、バッテリーの在庫状況によっては即日修理ができない可能性もあるため、確認の上で店舗へ来店するようにしましょう。
なお、店頭修理サービスを実施している店舗は以下のとおりです。
docomo | au | SoftBank |
---|---|---|
・DS丸の内店 iPhone/iPadリペアコーナー ・iPhone/iPadリペアコーナー 名古屋 | ・au Style SHINJUKU ・au Style SENDAI ・au Style みなとみらい ・au Style NAGOYA ・au Style OSAKA ・au Style FUKUOKA ・au Style 渋谷スクランブルスクエア | ・ソフトバンク仙台クリスロード ・ソフトバンク銀座 ・ソフトバンク表参道 ・ソフトバンク名古屋 ・ソフトバンクグランフロント大阪 |
※2024年1月時点
キャリアによっては、回線契約をしている端末しか修理受付していない場合があるほか、バッテリーの劣化状態によっては交換対象とならなかったり、補償が適用されなかったりする可能性もあるため、注意が必要です。
参考:iPhoneリペアコーナー|お客様サポート|iPhone|docomo
参考:iPhone・iPad 店頭修理サービス|スマートフォン・携帯電話をご利用の方|au
参考:バッテリーの交換がしたい|スマートフォン・携帯電話|SoftBank
修理場所3.非正規修理店
非正規修理店でもiPhoneの修理やバッテリー交換が可能です。
非正規修理店は、店舗数が多いほか、最短即日の修理が可能であることがメリットです。
手軽に利用したい方、急いでバッテリー交換をしたい方は、着目してみるといいでしょう。
ただし、以下の表からもわかるとおり、バッテリー交換にかかる費用は店舗によって異なります。
(税込) | iPhone修理救急便 | スマホスピタル | スマホ修理王 |
---|---|---|---|
iPhone 13 シリーズ | 8,180円 | 8,980円~ | 10,800円 |
iPhone 12 シリーズ | 6,580円 | 7,080円~ | 9,800円 |
iPhone 11 シリーズ | 5,580円 | 6,080円~ | 8,800円 |
iPhone X シリーズ | 4,180円 | 4,780円〜 | 6,800円 |
iPhone SE シリーズ | 1,680円~ | 1,800円~ | 5,800円 |
※2024年4月時点
※iPhone修理救急便についてはルミネ新宿店の料金を引用
また、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダ、キャリアショップと違い、Apple認定の修理店ではないため、店舗選びは慎重におこないましょう。非正規修理店で修理をおこなった場合、正規店の保証サービスから外れてしまう可能性がある点も覚えておきたいところです。
非正規修理店を選ぶ際には、必ず「総務省登録修理業者」を選ぶようにしましょう。
日本においてiPhoneやスマホなどの無線機器は、総務省の許可が降りなければ、販売したり利用したりすることができません。総務省が許可した製品かどうかは、技適マークとよばれる、総務省発行の「技術基準適合証明」で判別できます。「総務省登録修理業者」ではない業者がiPhoneを分解・修理すると、改造とみなされ、この技適マークが抹消されてしまうのです。
技適マークが抹消されたiPhoneやスマホを使用した場合、電波法110条において1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となるため、注意しましょう。
参考:基準認証制度 |制度の概要(登録証明機関一覧)|総務省 電波利用ホームページ
参考:iPhoneのバッテリー交換 修理メニュー|iPhone修理なら【iPhone修理 救急便】へ
参考:iPhone バッテリー交換 即日修理|スマホホスピタル
参考:iPhone修理|iPhone・スマホ・タブレット修理の【スマホ修理王】
iPhoneのバッテリーの膨張を防ぐ方法
iPhoneのバッテリーの膨張を防ぐ方法について、詳しく解説していきます。
- 方法1.ながら充電を避ける
- 方法2.過充電をしない
- 方法3.適温環境で使用する
- 方法4.純正品のケーブルやアダプタを使用する
日頃からiPhoneの取り扱いを意識することで、iPhoneのバッテリーの膨張を防ぎ、故障のリスクを低減できるでしょう。
以下にご紹介する方法を、参考にしてみてください。
方法1.ながら充電を避ける
バッテリーの膨張を防ぐためにも、充電しながらiPhoneを操作することは避けましょう。
充電しながらiPhoneを操作すると、バッテリーに大きな負荷がかかり、劣化を早めてしまう可能性があります。
とくに、ゲームアプリやアニメーション多用のアプリを使用したり動画を視聴したりすると、データ使用量だけでなく、バッテリーの負荷がかなり大きいものとなるため、充電しながらの操作は控えるべきです。
また、充電しながらの操作は、充電のみの時と比較しても、iPhone本体が発熱しやすくなります。充電する際は操作はおこなわず、充電のみに留めておくことが鉄則です。
方法2.過充電をしない
過充電も、バッテリーの劣化を早め、iPhoneの膨張を誘発するリスクが高まります。過充電にならないよう注意しましょう。
過充電とは、バッテリーの残量が100%あるにもかかわらず、充電ケーブルをつないだまま充電し続けてしまうことを指します。
バッテリーがフル充電の状態で充電を続けると、バッテリー残量は100%→99%→100%→99%…の数値を繰り返し、バッテリーに大きな負荷がかかってしまうのです。
iPhoneの充電が100%になったら充電ケーブルを外す癖をつけましょう。
過充電を避けるには、「バッテリーの最適化」を設定することも有効です。
バッテリーの最適化とは、iPhoneがフル充電されたままの状態を極力抑え、バッテリーの劣化を軽減する機能のことで、iOS13以降に搭載されています。
- iPhone画面の「設定」を開く
- 「バッテリー」をタップ
- 「バッテリーの状態」をタップ
- 「バッテリー充電の最適化」 を有効化する
バッテリーの劣化を軽減し、iPhoneの膨張を防ぐためにも、設定しておくといいでしょう。
参考:iPhone の「バッテリー充電の最適化」について|Apple
方法3.適温環境で使用する
適温環境で使用することも、iPhoneのバッテリーの膨張を防ぐ方法の1つです。
iPhoneを極端な高温下・低温下で使用すると、バッテリーの劣化を早め、バッテリーの膨張を誘引してしまう可能性があります。
駐車中の車内など温度変化が激しい場所では、使用したり放置したりしないようにしましょう。
Appleの公式サイトにおいても、iOSのデバイスは0℃〜35℃の環境下で使用すること、−20℃〜40℃の場所で保管することを推奨しています。
適温環境での使用を心がけることで、バッテリーの劣化を防ぎ、バッテリー膨張を防ぐことにつながるのです。
高温・低温の環境下では、電池の劣化のみならずディスプレイが点灯しなくなったり、バッテリーの持ちが悪くなったりと、動作に変化が起こる可能性についても言及されているため、注意しましょう。
参考:iPhone や iPad が高温または低温になりすぎた場合|Apple
方法4.純正品のケーブルやアダプタを使用する
iPhoneのバッテリーの劣化や膨張を防ぐためにも、純正品のケーブルやアダプタを使用しましょう。
昨今、iPhoneに使用できる充電器は多く出回っており、純正品よりも安価な価格で入手できることも少なくありません。
しかし、純正品でないケーブルやアダプタはメーカーによる動作確認が取れていないものがあるため注意しましょう。
このような充電器を使用し充電していると、デバイス本体やバッテリーにも影響を与えかねません。
また、デバイスとの相性がよくないケーブルを使い続けていると、バッテリー劣化の原因にもなってしまいます。
充電ケーブルやアダプタは純正品を使用することで、バッテリーの劣化を遅らせ、バッテリーの膨張のリスクを減らせるでしょう。
バッテリーが膨張したiPhoneは下取りに出せる?
バッテリーが膨張しているiPhoneでも買い取りしている業者もありますが、あくまでバッテリー膨張のみの場合です。バッテリーの膨張により動作不良が起きてしまっているデバイスは、買い取り不可となる可能性があります。
バッテリー膨張のみであれば、バッテリー交換のみの対応で済むケースが多いため、通常の査定額と変わらない金額で買い取ってくれる買い取り業者も少なくありません。各キャリアの下取りプログラムにおいても、バッテリーの膨張のみで、そのほかの充電機能やタッチ操作など通常の動作に問題がなければ、そのまま下取りしてもらえる場合があります。
ただし、バッテリーの膨張以外にも問題箇所があったり、バッテリーの膨張があまりにも著しくiPhone本体を圧迫してしまっていたりすると、査定額が極端に下がる可能性や、買い取りや下取り自体が不可となる可能性が高まるでしょう。
いずれにしても、バッテリーの膨張に気づいた場合は、早い段階でバッテリー交換や修理をおこなったり、買い取りや下取りに出したりと、早めに行動することが大切です。
まとめ
iPhoneのバッテリーが膨張する主な原因は、バッテリーが劣化し電池内部にガスが溜まることです。そのまま放置してしまうと、iPhoneの液晶画面が浮いたり隙間ができたりと、機能面の不具合が生じる可能性があります。
発火・爆発のリスクも高まるため、iPhoneのバッテリーの膨張に気づいた場合は、使用を控えて電源をオフにすること、充電を避けることなどが大切です。
バッテリーが膨張した際の対処法はバッテリー交換のみとなるため、なるべく早く修理へ出すようにしましょう。また、iPhoneのバッテリーの膨張により本体に隙間ができているからといって、テープで無理やり押さえつけたり、接着剤を使ったりすることは避けるべきです。かえって故障させてしまうリスクがあります。
iPhoneのバッテリーが膨張している場合には、ぜひ本記事を参考にし、正しい対処法をおこなうようにしましょう。