購入したばかりのスマホが起動しなくなり、困った経験をお持ちの方もいるでしょう。また、スマホが起動しなくなった際の対策を事前に把握し、自力で解決したいと考える方も多いかもしれません。
本記事では、スマホが起動しなくなる主な原因を踏まえた上で、自力で解決するための対処法を8つご紹介します。スマホが起動しなくなった際にやってはいけないことや、修理におけるバックアップの知識もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
スマホが起動しない原因は?
スマホが起動しなくなる原因には、主に以下の3つが挙げられます。
- バッテリー劣化
- OSやシステムの不具合
- ハードウェアの故障・不具合
ここでは、スマホが起動しなくなる原因の詳細について見ていきましょう。上記に該当しない原因にも触れているので、自身のスマホが故障した際の原因解明にお役立てください。
1.バッテリー劣化
スマホは、内蔵されているバッテリーの経年劣化を原因として起動しなくなることがあります。
一般的に、スマホの内蔵バッテリーは、おおよそ2年から3年ほどで寿命を迎えるとされています。寿命が尽きると自動的に起動しなくなり、使用できなくなるでしょう。また、アプリを複数立ち上げたままにしていたり、充電しながら操作していたりすると、本来の寿命よりも短い期間でバッテリーが機能しなくなります。バッテリーの劣化でスマホが起動しなくなることを防ぐには、バッテリー劣化の原因を把握した上で、それらの事象を回避することが大切です。
2.OSやシステムの不具合
OSやシステムの不具合も、スマホが起動しなくなる原因の1つです。
システムアップデートやアプリの不具合により、スマホが起動しなくなることがあります。
これらは、容量の大きなアプリを起動したり、アップデート時に何らかの障害が生じた際に起こる事象です。起動時から画面が固まり動かなくなる場合や、画面が点いたり消えたりする場合は、OSもしくはシステムに不具合が発生していると考えてよいでしょう。
3.ハードウェアの故障・不具合
スマホは、ハードウェアの故障や不具合が原因で起動しなくなることもあります。起動に影響の出る故障箇所は、主に内部基盤、ディスプレイ、ケーブルを接続する充電口などです。
スマホは、内部基盤の内のほんの小さなICチップが1枚破損するだけでも、起動に悪影響を及ぼしてしまいます。ICチップは、スマホを落としたり水没させたりすることで、破損する可能性があります。
スマホをできるだけ長く使い続けるためには、本体を傷つけないよう気をつけて取り扱うことが大切です。
その他の原因
スマホが起動しなくなる原因には、上記3つ以外にもさまざまなものがあります。
ここでは、スマホが起動しなくなる以下2つの原因についても解説します。
- スリープ状態中にフリーズしている可能性
- 充電切れの可能性
スリープ状態中にフリーズしている可能性
スマホがスリープ状態になっている最中に、フリーズしてしまうことがあります。
厳密には「起動」自体はしているものの、画面が真っ暗になったまま操作できなくなるといった意味では、起動しなくなるのと同等の症状といえるでしょう。スマホの画面が真っ暗なまま動かないにもかかわらず、通知音や着信音などが聞こえてくる場合は、スリープ中のフリーズを疑いましょう。
スリープ中のフリーズが発生した場合も、後述する「スマホが起動しなくなった場合の対策」を実施することで解決できるかもしれません。
充電切れの可能性
スマホの充電がない場合、当然のことながら起動されず、操作ができなくなってしまいます。
スマホが起動しなかった際には、単に充電切れの可能性も加味し、充電してみましょう。30分から1時間を目安に充電して再起動を試みることで、解決するかもしれません。
スマホが起動しないときの8つの対処法
前述した原因でスマホが起動しなくなったときは、以下に挙げる8つの対処法を実践してみましょう。
- 充電をする
- 放電する
- SIM・SDカードの抜き差し
- 不要なアプリを消す
- 強制再起動する
- フィルムを交換してみる
- リカバリーモード(初期化)にする
- 直らない場合は修理
スマホが起動しなくなると、仕事や日常生活に支障をきたしてしまうことも多いでしょう。これからご紹介する対処法を実施することで、起動しなくなる不具合を自身で解消できるかもしれません。なお、ここでご紹介した対処法でも症状が解決しなかった場合は、キャリアショップなどに持ち込んで修理依頼することをおすすめします。
1.充電をする
スマホが起動しなくなる原因の1つに、単なる「充電切れ」が挙げられます。
スマホが起動しなくなったら、まずは充電してみましょう。バッテリー切れの状態から充電を開始し、再起動できるまでの時間の目安は、おおよそ30分から1時間ほどです。
1時間以上経っても再起動できない場合は、ほかの原因で故障している可能性が高いため、後述する方法を実践するか、キャリアショップに修理依頼をしましょう。
2.放電する
スマホのバッテリーに電気が溜まりすぎると、起動に影響を及ぼすことがあります。スマホに内蔵されているバッテリーは、内部に余分な電気が溜まると不具合を起こしやすくなることが特徴です。
その場合、バッテリーが取り外せるタイプのスマホであれば、取り外して放電することで症状が改善する可能性があります。バッテリーが取り外せないタイプのスマホを使用している場合は、やはり別の方法を検討・実践しなければなりません。
3.SIM・SDカードの抜き差し
スマホは、SIMカードもしくはSDカードの接触不良で不具合が発生することもあります。SIMカード・SDカードを取り外せるスマホであれば、一度抜いて差し直すことで解決するかもしれません。
SIMカード・SDカードを取り外す際には、ホコリや汚れ、キズがないかをチェックしてください。加えて、チェックする際にホコリや汚れ、キズがついたりしないよう注意することも大切です。
4.不要なアプリを消す
スマホに大量のアプリをインストールしていると、起動も含めて動作に影響を及ぼすことがあります。とくに、容量の大きなアプリが多かったり、不要なアプリが残っていたりすると、スマホ本体の容量を圧迫し、負担をかけてしまっている可能性が高いでしょう。アプリが原因で起動に影響が出ている場合は、不要なアプリを削除することで解決します。容量の大きなアプリが多い場合は、容量の少ない代替アプリを探すこともおすすめです。
5.強制再起動する
ここまでご紹介した方法でも起動に関するトラブルが解消されない場合は、強制再起動を試してみましょう。強制再起動の方法は、iPhone・Androidではそれぞれ異なります。
iPhoneを強制再起動する際は、以下の手順で実施してください。
- 音量を「上げる」ボタンを押してすぐに離す
- 音量を「下げる」ボタンを押してすぐに離す
- 画面にロゴが表示されるまでサイドボタンを長押しする
Androidの場合は、音量を「下げる」ボタンと電源ボタンを長押しすることで、強制再起動できます。
6.フィルムを交換してみる
スマホは基本的に、通話時など耳があたった際に誤作動がないよう、耳を近づけると画面が暗くなるようにセンサーが設定されています。
しかし、画面に貼り付けているフィルムが原因でセンサーに異常をきたし、センサーが誤作動してしまうことがあります。
センサーが誤作動すると、画面が暗いままになってしまうため、フィルムを貼り替えて対応しましょう。フィルムを新しいものに貼り替えたら、耳をあてても問題なく動作するかを確かめることも忘れてはいけません。
7.リカバリーモード(初期化)にする
Androidに限っての対処法ではありますが、「リカバリーモード」という初期化にするモードを選択することで、起動に関する不具合を解消できる場合があります。
リカバリーモードを実践する手順は、以下のとおりです。
- 電源ボタンと音量ボタン(+と-)を長押しする
- メニューが表示されるので「Recovery mode」を選択する
- 「Wipe data / factory reset(工場出荷状態に戻す)」を選択する
- 確認メッセージの後に「YES」を選択するとリカバリーが実行される
リカバリーモードは起動に関する不具合自体は改善するものの、すべてのデータが消えてしまうためご注意ください。データの消失を避けるためにも、日頃からこまめにバックアップをとっておきましょう。
8.直らない場合は修理
ここまでご紹介した7つの対処法を実践しても起動に関する症状が改善されない場合は、そのほかの原因が考えられます。そのほかの原因でスマホが起動しなくなったら、自身で改善するのはほぼ不可能と考えて間違いないでしょう。メーカーへの修理依頼や、近隣のキャリアショップへ持ち込むなどをして、修理してください。修理には事前予約が必要だったり、完了までに日数を要したりすることを事前に確認した上で依頼しましょう。
起動しないときにやってはいけないNG行動
スマホが起動しなくなった場合の対処法として、再充電や放電、SIMカード・SDカードの抜き差しやアプリの整理などをご紹介しました。しかし、スマホが起動しなくなった際にやってはいけない、NG行動もあることも理解しておかなければなりません。
ここでは、スマホが起動しないときにやってはいけない以下2つのNG行動について、解説します。
- 自分で分解する
- 電源を付けたり消したりを繰り返す
それぞれ詳細を確認していきましょう。
自分で分解する
スマホが起動しなくなったからといって、自分で分解して修理しようとすることは避けてください。
確かにスマホは分解自体が簡単ではあるものの、分解したところで元通りに直せるとは限りません。それどころか、スマホは精密機械であるため、分解したことが原因で故障してしまうこともあります。分解が原因で故障すると、修理箇所が増える可能性があるため、費用もかさんでしまうでしょう。
スマホが起動しなくなっても、自己判断で分解して修理することはおすすめできません。
電源を点けたり消したりを繰り返す
スマホを再起動させるための対策として、電源の点け直しが挙げられます。しかし、何度も電源を点けたり消したりすると、かえって本体に負担がかかる可能性があります。電源の点けたり消したりを繰り返すことによって症状が悪化することも加味し、電源の再起動を実施する回数は極力抑えるとよいでしょう。
起動しない場合は修理前にバックアップを取れるのか
スマホが起動しなくなったら、最悪の場合は初期化も余儀なくされます。初期化を進める上で懸念されるのが、バックアップを取れるか否かです。結論から申し上げますと、スマホが起動しない状態でバックアップを取ることはできません。
そのため、初期化が必要になるほどの症状で、かつバックアップを取れていない場合は、新しいスマホにデータを入れ直さなければならないと認識しておきましょう。
バッテリーの交換などで修理が完了する軽微な症状である場合は、データを残したまま修理が可能です。とはいえ、万が一の場合に備えて、こまめにバックアップをとっておくとよいでしょう。バックアップさえ残しておけば、初期化が必要になってもリスクは軽減できます。
修理が必要なときはどうすれば良いか
スマホが起動しなくなり、かつ自身で解決できない場合は、修理を依頼する必要があります。
スマホの修理が必要となった場合は、メーカーへの修理依頼か、キャリアショップへの持ち込みのいずれかを選択しましょう。多少のリスクはあるものの、非正規の修理事業者に持ち込む方法も挙げられます。
スマホが起動しなくなった際の修理依頼先について、詳しく見ていきましょう。
メーカー修理をする
メーカーに修理を依頼することが、最も安全な方法といえます。
iPhoneの場合は正規プロバイダであるAppleに依頼、Androidの場合は各メーカーごとに郵送することで、修理依頼できます。
メーカーに修理を依頼する主なメリットは、以下のとおりです。
- 保証が適用できる
- 純正パーツを使用して修理できる
一方で、メーカーへの修理依頼には、以下のデメリットがあることも覚えておきましょう。
- 保証が使えないと高額になる
- データが初期化される
- 修理までに時間がかかる
なおメーカーに修理依頼をする際は、iPhone・Androidそれぞれの費用相場を把握しておくことも大切です。以下では、iPhone・Android(AQUOS・HUAWEI)それぞれの修理費用をまとめています。
<iPhone・Androidの修理費用相場(税込)>
iPhoneの修理費用相場(「その他の損傷」を想定) | AQUOS SIMフリーモデル(メイン基板交換) | HUAWEI |
---|---|---|
iPhone 15:87,800円(AppleCare+に加入の場合12,900円) iPhone 14:87,800円(AppleCare+に加入の場合12,900円) iPhone 13:68,800円(AppleCare+に加入の場合12,900円) iPhone 12:68,800円(AppleCare+に加入の場合12,900円) iPhone 11:59,400円(AppleCare+に加入の場合12,900円) iPhone X:87,800円(AppleCare+に加入の場合12,900円) | 20,000円~52,000円 | 本体分解を伴わない修理: 2,970〜8,800円 本体分解を伴う修理: 6,050〜13,200円 |
※2023年12月時点
参考:iPhoneの修理サービス|Apple
参考:MVNO SIMフリースマホ 修理概算料金|シャープ株式会社
参考:HUAWEI nova lite 3+ 修理部品価格|HUAWEI
キャリアショップに持っていく
スマホの修理は、利用している各キャリアのショップでも対応してくれます。
docomo・au・SoftBankの場合、購入から1年くらいの期間であれば、保証・交換の対象となることが多いでしょう。キャリアショップでの修理は、1週間ほど期間を要するものの、修理の質と速度のバランスがよいというメリットがあります。また、対面で相談できることもポイントです。
ただし、データが初期化される点にはご注意ください。
以下では、docomo・au・SoftBankそれぞれの修理費用の目安を、修理費用の目安を掲載しています。いずれも、有料の延長保証サービスに未加入の実費修理代金例です。
なお、iPhoneの場合は、キャリアを問わず87,800円(税込)からとなります。
<キャリア別修理費用(税込)>
docomo | au | SoftBank |
---|---|---|
34,100円(Galaxy A52 SC-53B) ※スタンダードモデルの場合 | 22,000~33,000円 | 19,800円(GooglePixel・Xperia) |
※2023年12月時点
参考:修理代金の目安|docomo
参考:預かり修理|au
参考:故障診断シミュレーター|SoftBank
非正規の修理事業者に持っていく
メーカー修理やキャリアショップへの依頼にメリットを感じない場合は、非正規の修理事業者に持ち込むか、郵送・出張で対応してもらう方法もあります。
非正規の修理事業者であれば、メーカーやキャリアショップでは時間のかかる修理でも、最短で即日対応が可能です。また、非正規の修理業者では故障箇所のみを修理するため、データも初期化されない、というメリットがあります。
修理費用に関しても、正規店でのiPhone修理費用が87,800円(税込)なのに対し、非正規店であれば1万円台から対応可能なところも少なくありません。
ただし非正規の修理事業者は、メーカーの保証適用外である点や、純正パーツでの修理ができない点などデメリットもあるため、注意が必要です。
まとめ
本記事では、スマホが起動しなくなる原因や、自分で実施できる対処法について解説しました。
スマホが起動しなくなる原因としては、バッテリーの劣化やOS・システムの不具合、ハードウェアの故障や不具合などが挙げられます。
再充電や放電、SIMカード・SDカードの抜き差しや不要なアプリの削除などの方法を実施することで、これらの症状を改善できる可能性もあるでしょう。
ご紹介した方法でスマホの症状が改善されない場合は、外部に修理を依頼しましょう。自分で分解したり、電源を点けたり消したりを繰り返すことのないよう、専門スキルを持つ機関に修理を依頼してください。なお修理を依頼する際には、メーカーやキャリアショップ、非正規の修理事業者それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握・比較検討した上で、依頼先を決めるようにしましょう。