SIMカードをそのまま利用して機種変更をしようと考える人は多くいるでしょう。しかし、機種変更をする際に必ずSIMカードをそのまま利用できるというわけではありません。
端末の状態やSIMカードの種類などによってそのまま機種変更できないケースが多くあります。
SIMカードをそのまま利用するためには事前にチェックしておくべき点を押さえた上で、機種変更を進める必要があるでしょう。
本記事では、SIMカードをそのまま利用するために押さえておくべき点や、そのまま利用できないケースなどを解説します。
SIMカードをそのまま利用して機種変更したいと考えている人は、以下の内容を参考にしてください。
機種変更するときにSIMカードをそのまま利用できないケース
まずは、機種変更をするときにSIMカードをそのまま利用できないケースを紹介します。
以下の内容に当てはまる場合は、SIMカードをそのまま利用できないことを理解しておきましょう。
- 端末がSIMロックがかかっているスマホの場合
- 端末がキャリアの周波数帯に対応していない場合
- 端末にSIMカードのサイズが合わない場合
それぞれの詳細について解説していきます。
端末がSIMロックがかかっているスマホの場合
端末にSIMロックがかかっている場合、SIMカードをそのまま利用できません。キャリア以外で新品を購入する場合は、SIMフリー端末になるのでSIMロックに関しては心配ないでしょう。
一方で、キャリアで購入したもの、もしくは中古で購入したものはSIMロックがかけられている可能性があるので注意が必要です。
SIMロックがかかっている端末はSIMロックを解除しないと、そのまま利用できません。スマホにSIMロックがかかっているかどうかを事前に確認しておきましょう。
端末がキャリアの周波数帯に対応していない場合
端末がキャリアの周波数帯に対応していない場合、通信はできません。
端末の周波数は購入したキャリアによって異なり、端末ごとに対応している周波数にも違いがあります。例えばNTTドコモとauは700MHz帯と800MHz帯に対応していますが、ソフトバンクは700MHz帯と900MHz帯です。ソフトバンクからNTTドコモやauに機種変更をする場合、通信ができない可能性があります。
その点、iPhoneはすべての周波数に対応しています。使っている端末がiPhoneの場合は、周波数帯の不一致によって端末が使えないという不安は無用です。
一方でiPhone以外の端末を利用中で、そのSIMカードをそのまま利用したい場合は、新しい端末が現在の周波数帯に対応しているかどうかを必ず確認しておきましょう。
参照:携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース|総務省
端末にSIMカードのサイズが合わない場合
SIMカードのサイズは3種類あります。
具体的には、25mm×15mmの標準SIM、15mm×12mmのmicroSIM、12.3mm×8.8mmのnanoSIMの3種類です。
SIMカードのサイズが合っていない場合、新しい端末に挿入できないため、端末を使うことができません。SIMアダプターやSIMカッターを使ったり、契約している通信会社にサイズ変更を依頼するなどの対応が必要になるでしょう。
一方で、現在使われているSIMカードのほとんどはnanoSIMです。サイズに関しては、そこまで心配する必要はないといえるでしょう。
SIMカードをそのまま入れ替えて機種変更する手順5ステップ
SIMカードをそのまま入れ替えて機種変更をする手順を紹介します。
SIMカードをそのまま入れ替えて機種変更する場合は、次の手順に沿って進めていくと良いでしょう。
- 利用したいSIMフリーのスマホを購入する
- 端末データのバックアップを取る
- SIMカードを挿し替える
- APN設定をする
- データ移行をする
それぞれの詳細について解説していきます。
1.利用したいSIMフリーのスマホを購入する
まずは利用したいSIMフリースマホを購入しましょう。
SIMフリーのスマホは、格安SIMやメーカー公式サイト、ECサイト、大手家電量販店、中古ショップ、フリマサイトなどで購入できます。キャリアで購入する場合と異なり、中古スマホも選択肢に入ってくるため、基本的には定価よりもお得に購入できる可能性があるでしょう。
しかし、繰り返しになりますが、キャリアで購入する場合や中古スマホを購入する場合は、SIMロックがかかっている可能性があるため注意が必要です。「せっかく購入したのに使えない」という事態に陥らないよう、購入前に確認してください。
2.端末データのバックアップを取る
バックアップをとらなくても、端末には、一定のデータが保存されています。具体的には写真、動画、連絡先、アプリ、デバイスの基本設定などです。裏を返せば、それ以外のデータについてはバックアップが必要といえます。
現在はiPhone・Androidともに、クラウド上でバックアップを取るのがおすすめです。iPhoneの場合はiCloudを、Andoidの場合はGoogleアカウントを活用しましょう。またデータ移行の際にまとめてバックアップを取るのではなく、「自動でバックアップ」の機能を有効にしておき、日頃からバックアップを取っておくのがおすすめです。
クラウド上でバックアップを取っておけば、新しい端末からすぐにアクセスできます。PCやタブレットからもアクセスが可能なため、紛失した場合にも役立つでしょう。
3.SIMカードを挿し替える
この段階まで進んだらSIMカードを入れ替えましょう。SIMカードを抜いて挿入するだけなので、工程としては非常に簡単です。
ただし、作業を進める際には以下の点に注意する必要があります。
- 電源を必ず切る
- 向きやサイズを正しく入れる
- ICチップ部を直接触らない
- 静電気に注意する
上記の4点を確認しながら慎重に進めましょう。
4.APN設定をする
SIMを入れ替えたら、APN設定を進めます。
APN設定はiPhoneとAndroidで異なるので、以下で事前に確認しておきましょう。
iPhoneの場合
iPhoneのAPN設定は、プロファイルのインストールで設定します。APNは携帯電話会社が対応していれば、iOS 16およびiPadOS 15以降であれば自動的に設定が進められます。
一方で、自動で設定が完了しない場合はiOSやキャリア設定のアップデートを進めましょう。
「設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」から設定可能です。
キャリア設定のアップデートをするときは、「設定」>「一般」>「情報」と進めます。画面の案内に従ってキャリアアップデートをインストールしましょう。
Androidの場合
AndroidスマホでAPNの設定をする場合は、以下の手順で設定します。
- 「設定」をタップ
- 「接続」をタップ
- 「モバイルネットワーク」をタップ
- 「APN」をタップ
- 右上の「追加」をタップ
- 携帯電話会社から提供されているAPNの情報を入力
- それぞれの項目を入力し、右上の「︙」をタップ
- 「保存」をタップ
- 入力したAPN の設定にチェックを入れる
iPhoneと比較すると、自分で入力する箇所が工程にあります。入力内容に間違いがないように慎重に進めてください。
5.データ移行をする
最後にデータ移行をしたら、機種変更は完了です。
注意点としては、アプリによっては個別に引き継ぎ作業が必要になること、LINEやゲームは引き継ぎに失敗するとデータが消えてしまう可能性があることが挙げられます。
データ移行に関しては機種変更する機種によって異なるので、以下で手順を確認しておきましょう。
iPhoneからiPhoneの場合
iPhoneからiPhoneにデータ移行する場合は、クイックスタート機能を利用しましょう。
クイックスタートはWi-Fiにつなぎ、Bluetoothをオンにした状態で2台を近づけておくだけで移行が完了するというものです。
データ移行が完了するまで近づけておくだけなので、かなり簡単に移行が完了するでしょう。
AndoidからAndoidの場合
AndroidからAndroidの場合はGoogleアカウントを活用するのがよいでしょう。
新しい AndroidスマホでGoogleアカウントを追加すると、バックアップされた設定やデータが新しいスマホに復元されます。
AndroidからAndroidへのデータ移行も、比較的簡単に完了するでしょう。
AndoidからiPhoneの場合
AndroidからiPhoneへデータを移行する場合は、「iOSに移行」というアプリを利用しましょう。
画面に表示される手順に沿って、工程を進める必要があります。公式サイトでは9ステップで手順が説明されています。
AndroidからiPhoneへの移行にはWi-Fi環境が必要になるので、必ずWi-Fi環境がある場所で移行を進めましょう。
注意点として、Android専用アプリなど中には引き継ぎできないアプリも存在しています。このようなアプリはiPhoneに対応するようになるまで引き継げないので、この点に関しては理解しておきましょう。
参考:Android から iPhone、iPad、iPod touch に移行する|Apple
iPhoneからAndoidの場合
iPhoneからAndroidへデータ移行する場合、「Androidに移行」アプリを用いればデータ移行ができます。
画面に表示される手順に沿って、工程を進めてください。公式サイトでは3ステップで手順が説明されています。iPhoneからAndroidへの移行にもWi-Fi環境が必要になるので、必ずWi-Fi環境がある場所で移行を進めましょう。
こちらもAndoidからiPhoneの場合と同様に、iPhone専用アプリなど中には引き継ぎできないアプリも存在しています。
引き継ぎたいアプリがAndroidに対応するようになるまで引き継げないので、注意してください。
参考:iPhoneからAndroidへの移行をシームレスに|Android
SIMカードをそのまま入れ替えて機種変更するときの注意点
SIMカードをそのまま入れ替えて機種変更する際の注意点を紹介します。
- データは端末に保存されているため移行作業が必要になる
- 端末と契約プランの通信規格(5G・4G)が異なる場合は動作しない可能性がある
- 個別に引き継ぎが必要なアプリがある
それぞれの詳細について解説していきます。
データは端末に保存されているため移行作業が必要になる
写真や動画、連絡先、アプリなどのデータは端末に保存されるものなので、必ずバックアップしてから移行するという工程が必要になります。
そのため、機種変更の前にはバックアップをしておかなくてはなりません。
機種変更をスムーズに進めるためには、データ移行の手順を踏む前に必ずバックアップを取っておきましょう。
端末と契約プランの通信規格(5G・4G)が異なる場合は動作しない可能性がある
端末と契約プランで契約規格が異なる場合は、5Gプランに変更しなければなりません。しかし実際のところ、端末と契約プランが揃っていなくても動作するケースは少なくありません。
しかし、端末と契約プランの通信規格が合わずに故障した場合には、動作保証外になります。契約プランを変えたときに、手続きの仕方によってはSIMカードを交換しなければならない場合もあります。
端末と契約プランの通信規格が異なる場合は、動作しないケースもあるということを理解しておきましょう。
個別に引き継ぎが必要なアプリがある
アプリによっては個々で引き継ぎが必要になるものがあります。
個々で引き継ぎが必要なアプリの例は以下3つです。
- LINE
- スマホ決済
- 一部のスマホゲーム
引き継ぎを済ませずに機種変更してしまうと、データが消失してしまうかもしれません。このような引き継ぎが必要なアプリを利用している場合は、必ず事前に引き継ぎを済ませておきましょう。
機種変更するときにSIMカードをそのまま使用できないときの対処法
機種変更するときにSIMカードをそのまま使用できない時の対処法を紹介します。
- SIMカードのサイズ変更を申し込む
- SIMロックを解除する
それぞれの詳細について解説していきます。
SIMカードのサイズ変更を申し込む
SIMカードのサイズを変更する場合は、変更手続きの申し込みが必要です。
変更を申し込む携帯会社によって料金は異なりますが、大手3社ともSIMカードのサイズ変更手続きは有料です。
SIMアダプターでサイズを変える、またSIMカッターで余分な部分をカットして調整するなどの方法もありますが、故障した場合は一切保証されません。
変更手続きを依頼する方が確実で安く済むケースがほとんどなので、SIMのサイズを変えたい場合はサイズ変更を申し込むのがおすすめです。
SIMロックを解除する
キャリア以外で新品の端末を購入した場合の端末は、基本的にSIMフリーです。一方で、キャリアで購入したものはSIMロックが解除されていない場合があるので、SIMロックの解除が必要になるでしょう。
また、中古品を購入した場合も、SIMフリー端末ではない可能性があります。中古品を購入した際には、端末識別番号(IMEI)を調べてどこのキャリアのスマホか特定する必要があります。キャリアを特定してSIMロック解除の手続きを済ませた上で、機種変更を進めましょう。
まとめ
今回はSIMカードをそのまま利用した上で機種変更する方法について紹介しました。
SIMカードをそのまま使用した上での機種変更は十分に可能です。難しい工程はないので、注意点や手順を知っていれば問題なく進められるでしょう。ただし、機種変更するときにSIMカードをそのまま利用できないケースもあるので注意してください。その場合、この記事でご紹介した機種変更するときにSIMカードをそのまま使用できないときの対処法を試してみることをおすすめします。
SIMカードをそのまま使用した上での機種変更を検討している人は、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。