iPhoneが壊れた場合の対処法について、新しい機種への買い替えをおこなうか、あるいは修理に出すかという選択は、非常に難しいものといえます。
実際にそれほど損傷はなかったけれども、修理に出さずに買い替えて余計な支出をしてしまったという方も多いのではないでしょうか。反対に、損傷が大きかったのに修理に出してしまい、余計な時間を費やしてしまった…という方も少なくないでしょう。
このように、iPhoneの不具合に対して買い替えるか修理に出すかという選択は、その後のコストや時間に大きな影響を及ぼします。
そこで本記事では、iPhoneの状態や条件に応じて、買い替えか修理かを判断する方法、買い替える際の最適な方法や選択肢、修理する場合の方法や修理先の選択肢について詳しく解説します。
本記事を最後までご覧いただければ、iPhoneに不具合が起きた際にも適切な対策を講じることができるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。
iPhoneが壊れた際に買い替えをおすすめする条件
iPhoneが壊れたとき、新しいモデルへの買い替えを選択したほうが好ましい状況とは一体どのような状況でしょうか。修理費用や手続きの手間、またはデバイスの性能向上に対するニーズなど、さまざまな要素が想定されます。
なお、iPhoneが壊れた場合に新しいモデルに買い替える際のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【買い替えのメリット】
- 新品を使用できる
- 機能や性能が向上する
- 故障リスクがグッと低くなる
【買い替えのデメリット】
- 端末購入費用などの支払負担が重くなる
- データ移行や買い替え手続きなどの手間がかかる
以上のメリット・デメリットを踏まえた上で、おすすめの条件を見ていきましょう。
使用年数が長い場合
内閣府が発表した「令和5(2023)年3月実施の消費動向調査」によると、携帯電話は平均で4.4年間使用されているというデータがあります。また、携帯電話を新しいものに替える最大の理由が「故障」であることを示しており、その割合は全体の38.7%でした。
使用年数が長い場合、経年劣化による性能の低下が見られる可能性が高まります。バッテリーの持ちが悪くなったり、画面のタッチに遅延が生じるなど、使用に支障をきたすような問題が見られることも多いです。
使用年数が短い場合の不具合であれば、修理でなんとかなる場合もありますが、使用年数が長い場合の不具合は、修理しても再び不具合が生じないとも限りません。 使用年数の長いiPhoneの場合、度重なる修理によってランニングコストが大幅にかかってしまう可能性も考えられます。
また、過去の傾向から、発売から4~6年ほど経過したiPhoneは、iOSのアップデートサポートが終了してしまいます。そうなるとアップデートが途絶え、アプリの互換性などが問題となるのです。
修理で一時的に解決することもありますが、もともと不具合のあった部分だけではなく他の部分にも不具合が生じるリスクもあります。長い目で見た場合、思い切って買い替えてしまったほうがよいでしょう。
故障内容が深刻な場合
故障内容が深刻な場合は、新しいiPhoneに買い替えることを検討してみてください。
深刻な故障とは、画面が全く表示されない、バッテリーが全く充電されない、システムが完全に停止してしまう…など、基本的な機能が利用できない状況を指します。
たとえば、水没などが原因の故障です。iPhoneが水没してしまった場合、基盤からバッテリー、充電口、パネルなどあらゆる箇所に故障の可能性があり、修理が難しくなってしまいます。
このような状態では修理に出しても多大な時間と費用がかかり、また修理後も完全に元の状態に戻るとは限りません。また、故障部分の修理で一時的には改善されても、ほかの部分が短期間で故障する可能性もあります。
そのため、修理はデータ移行など最小限に留め、買い替えてしまったほうが賢明です。
iPhoneが壊れた際に修理をおすすめする条件
iPhoneが壊れたとき、修理を選択したほうが好ましい状況とは一体どのような状況でしょうか。
金額だけでなく、データの移行に伴う手間やストレスも考慮に入れると、修理の選択がベストな場合も少なくありません。
iPhoneが壊れた際に修理するメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【修理のメリット】
- 使い慣れたiPhoneの使用を継続できる
- 比較的安価に済む場合もある
- データの移行など手間が必要ない場合が多い
【修理のデメリット】
- 修理に時間を要する
- 保証がついていない場合、修理費用が高額となることがある
- 故障リスクは新品よりも高い
上記を踏まえた上で、どのようなケースが該当するか解説していきます。
使用年数が短い場合
先述した「令和5(2023)年3月の消費動向調査」において、携帯電話の平均使用期間は4.4年であることが明らかとなりましたが。これは同時に、iPhoneの基盤が4年程度では大きく劣化しないことを意味します。
使用年数が短いiPhoneはまだ価値が高く、修理によって再び使用できるようになれば、その価値を十分に活用できるでしょう。
比較的新しいモデルであれば部品の入手が容易なために修理費用を抑えられる可能性が高く、新しいモデルは最新のiOSをサポートしているため、修理後も長く利用できるメリットがあります。
とはいえ、修理を選択する際には何度も同じ箇所が故障するなど、修理が難しいケースも少なくありません。そのため、故障内容や修理費用を具体的に把握した上で、専門家の意見を参考にしながら最善の選択を考えることが必要です。
参考:
故障内容が軽い場合
iPhoneのバッテリー消耗やボタンの故障、画面の微細な割れなど故障内容が軽い場合は、修理をおこなうことで費用を抑えられます。
とくに、最新モデルを使用していてまだ使用開始してから間もない場合や、まだまだ使える機能がある場合などは、修理を選択することで大きな節約につながるでしょう。
AppleCare+を利用している場合は、バッテリーの蓄電容量が本来の80%未満に低下している場合は無償でバッテリーを交換してもらえます。画面や背面ガラスの損傷修理については一律3,700円(税込)です。
ただし、AppleCare+の加入には、iPhone 15 Proの場合は月払いで1,580円(税込)、2年間分の一括払いで31,800円(税込)の費用がかかる点には、注意が必要です。
参考:AppleCare製品 – iPhone -|Apple
iPhoneが壊れた際の最適な買い替え手段
iPhoneが思わぬ事故で壊れてしまったときの対処法として買い替えを選択するとしたら、どのような手段が最適なのでしょうか。
この章では、iPhoneを買い替える際の最適な手段について詳しく解説していきます。
Apple Storeで購入
Apple Storeでは、直接Appleから新品のiPhoneを手に入れられます。さらに、スタッフが丁寧に説明をしてくれるので、自分の使用状況に合わせて最適なモデルを見つけられるでしょう。
Apple Storeで購入すれば、端末を一度開封し使用した後でも、購入から14日以内であれば返品可能です。分割払いや大手キャリアの料金プランを検討する際のサポートも受けられるため、購入に関する選択肢が広がります。
一括で端末を購入したい方や、端末を返却するつもりがない方は、Apple Storeでの購入が経済的に有利となることが多いです。
参考までにiPhone 14とiPhone 15 Proを比較すると、Apple Storeでの購入は大手キャリアよりも端末費用が大幅に安くなることがわかります。
iPhone 14の料金比較表(2023年10月現在)
容量/キャリア | Apple Store | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|---|
128GB | 112,800円 | 138,930円 | 129,990円 | 140,400円 |
256GB | 127,800円 | 161,480円 | 161,770円 | 161,280円 |
512GB | 157,800円 | 201,740円 | 201,925円 | 201,600円 |
iPhone 15 proの料金比較表(2023年10月現在)
容量/キャリア | Apple Store | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|---|
128GB | 159,800円 | 192,060円 | 185,860円 | 185,760円 |
256GB | 174,800円 | 218,790円 | 211,930円 | 211,680円 |
512GB | 204,800円 | 255,090円 | 248,560円 | 248,400円 |
1TB | 234,800円 | 291,830円 | 285,420円 | 285,120円 |
※すべて税込価格
このように、場合によっては5万円以上の差が出るのです。
参考:iPhone|Apple
参考:iPhone|NTT docomo
参考:製品価格一覧|au
参考:iPhone 14 機種代金|SoftBank
参考:iPhone 15 機種代金|SoftBank
格安SIMを利用
とくに大手キャリアを選びたいというこだわりがなければ、格安SIMの利用がおすすめです。
格安SIMはその名のとおり利用料金の安さが魅力です。大手キャリアの設備を一部借りることで設備投資費を削減し、店舗数を抑えたりオンライン化したりして人件費を抑制することで、低価格を実現しています。
さらに、2023年5月24日以降は、docomo、KDDI、SoftBank、楽天モバイル、日本通信で「MNP(携帯電話番号ポータビリティ)ワンストップ方式」が導入されました。これにより、以前よりも格安SIMへの乗り換えも簡単になっています。
従来はMNP予約番号を取得してから乗り換え先に申し込む必要がありましたが、新方式では乗り換え先へ申し込みするだけで、乗り換え手続きができるようになりました。
また格安SIMでは、iPhoneの端末セットの価格も割安となることがあります。これらの情報を踏まえ、自分に合ったプランを選ぶことが重要です。
参考までに、2023年10月現在でiPhone 14、iPhone 15 proの取り扱いのある楽天モバイルと、大手キャリア3社の料金比較表をご覧ください。
iPhone 14の料金比較表(2023年10月現在)
容量/キャリア | 楽天モバイル | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|---|
128GB | 120,910円 | 138,930円 | 129,990円 | 140,400円 |
256GB | 135,900円 | 161,480円 | 161,770円 | 161,280円 |
512GB | 165,900円 | 201,740円 | 201,925円 | 201,600円 |
iPhone 15 proの料金比較表(2023年10月現在)
容量/キャリア | 楽天モバイル | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|---|
128GB | 179,800円 | 192,060円 | 185,860円 | 185,760円 |
256GB | 205,800円 | 218,790円 | 211,930円 | 211,680円 |
512GB | 240,900円 | 255,090円 | 248,560円 | 248,400円 |
1TB | 276,800円 | 291,830円 | 285,420円 | 285,120円 |
※すべて税込価格
参考:iPhone 4キャリア価格比較表|Rakuten Mobile
参考:iPhone|NTT docomo
参考:製品価格一覧|au
参考:iPhone 14 機種代金|SoftBank
参考:iPhone 15 機種代金|SoftBank
リース契約を活用
iPhoneのリース契約とは、端末を特定の期間だけ借りて使用し、その後返すという形の契約です。一般的には「2年返却プラン」という形式が多く、大手キャリアのdocomo、au、SoftBankでは各種リースプランを提供しています。
リース契約のメリットは、端末料金を節約できる点です。ただしリース契約の場合、損害や故障の際には自身で修理費用を負担しなければならなかったり、契約期間中の機種変更ができない場合もあったりするため、その点は念頭に置いておきましょう。
大手キャリアのリース契約プランについて
キャリア | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|
リース契約プラン名 | スマホおかえしプログラム | スマホトクするプログラム | 新トクするサポート |
概要 | 返却後の翌々月の請求から始まる分割払い(最大12回分)またはそれに相当する金額の支払いが不要となる | 25か月目に機種を返却すると残りの支払いが不要となる | 25か月目以降の特典利用申し込み&機種回収で最大24回分の機種代金が支払い不要となる |
利用条件 | dポイントクラブまたはドコモビジネスメンバーズに登録しているお客様が、対象となる機種を36回の分割で購入し、返却した際に適用される | 24回の分割で購入し、対象となる機種を購入してから13か月目から25か月目までの間に、auがその機種の回収を完了する必要がある | 48回の分割で購入し、特典の利用を申し込んだ翌月末までに、SofBankの指定する基準に従って機種の回収と査定が完了している必要がある |
参考:スマホおかえしプログラム|NTT docomo
参考:スマホトクするプログラム|au
参考:新トクするサポート|SoftBank
iPhoneが壊れた際の修理方法・修理先
大切なiPhoneが突然壊れてしまったときに修理を選択する場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
この章では、iPhoneが故障した場合の修理方法と、信頼できる修理先について詳しく解説します。
正規修理店で修理してもらう
「正規修理店」とは、Appleから認定を受けている修理店のことです。日本全国にはApple Storeを含む修理提携店が多数存在します。有名な正規修理店として挙げられるのは、以下のような店舗です。
- Apple Store
- ビックカメラ
- カメラのキタムラ
- クイックガレージ
- C SMART など
正規修理店での修理には、複数のメリットがあります。
正規修理店のメリット
- AppleCare+が適用される
- Apple認定のパーツで修理可能
- 適切なマニュアルのもと修理がおこなわれる
正規修理店でのメリットは、何よりAppleCare+の適用や認定パーツの使用など、正規ならではの安心感が得られることです。マニュアルもしっかりとあるため、修理にかかる不安を最小限にできるでしょう。
正規修理店のデメリット
- 修理費用が高額になってしまう可能性がある
- AppleCare+に加入していても修理不可能、保証対象外とされるケースがある
- 修理に時間がかかってしまう場合がある
正規の手順を踏んで修理をおこなうため、時間と費用がかかってしまう可能性があることが最大のデメリットとなります。高い費用と期間をかけて安心感を買うイメージです。
非正規修理店で修理してもらう
「非正規修理店」は、Appleからの認定を受けていない修理店を指します。修理箇所のみに対応するため、正規修理店に比べて安価で修理できることが特徴です。
主な非正規修理店として挙げられるのは、以下のような店舗です。
- スマップル
- スマホスピタル
- アイサポ など
非正規修理店比較表
修理項目/代理店名 | スマップル(渋谷本店)(iPhone 13の場合) | スマホスピタル(iPhone 13の場合) | アイサポ(新宿本店)(iPhone 13の場合) |
---|---|---|---|
ディスプレイ修理(LCD/軽度) | 15,180~22,880円 | 29,800円〜 | 24,980円 |
バッテリー交換 | 8,800円 | 9,480円〜 | 9,980円 |
カメラ修理 | 6,820円 | 19,980円〜 | 9,980円 |
コネクタ修理 | 13,970円 | 19,980円〜 | 14,800円 |
スピーカー修理 | 8,800円 | 14,980円〜 | 12,800円 |
電源ボタン修理 | 13,090円 | 要問合せ | 要問合せ |
水没復旧 | 要問合せ | 9,980円〜 | 12,800円 |
※すべて税込価格
※2023年10月時点
非正規修理店にも、メリット・デメリットがあります。
非正規修理店のメリット
- 正規修理店よりも安価である場合が多い
- データが消えにくい
- 即日対応可能
- 店舗数が多い
非正規修理店では、故障箇所のみの修理ができるため、データが消えにくく、また安価であることが大きなメリットです。また、修理期間も短くて済みます。
非正規修理店のデメリット
- AppleCare+が適用されない
- 非正規修理店で修理を受けたiPhoneは正規修理店の保証対象外となる
- 正規修理店と比較するとパーツの信頼度が落ちる
正規のサポートが受けられないため、安心面の担保という意味では懸念が残ってしまいます。なお、非正規修理店を選ぶ際には、総務省からの登録を受けている修理業者を選択しましょう。
自身で修理をおこなう
修理に多額の費用をかけたくないという人の中には、自分でiPhoneの部品を取り寄せて修理を試みる人もいるでしょう。iPhoneの部品は、修理部品の卸売販売店だけでなく、Amazonや楽天などのオンラインショップでも購入できます。
しかし、自分で修理することで、さらに故障箇所を広げてしまう可能性も否定できません。部品に不具合が生じたり、データが飛んでしまうこともあるでしょう。
さらに重要なこととして、自分でiPhoneを修理する行為が、法律上問題となる可能性もあります。携帯電話や通信機器は、総務省の許可がない限り、日本国内で利用することはできません。そのため、通常iPhoneには、総務省が発行した技適マークと呼ばれる証明マーク(「技術基準適合証明」)が付けられています。
また、総務省登録修理業者でない人がiPhoneを分解すると、この技適マークは無効になってしまいます。技適マークの無効化されたiPhoneを使用した場合には、電波法に基づいて1年以下の懲役、または100万円以下の罰金を科される可能性があるのです。
以上を踏まえた上で、自身で修理をおこなうメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
- 費用を安く抑えられる
【デメリット】
- 直せない、もしくはさらに壊してしまう可能性がある
- 自身で修理をおこなった場合、正規修理店・非正規修理店ともに断られる可能性が高い
- 違法となるリスクを孕んでいる
このように、デメリットがメリットを大きく上回ります。したがって、自分で修理をおこなわないようにしてください。
参考:電波法抜粋 – 東海総合通信局|総務省
参考:電波法|e-Gov法令検索
注意!iPhoneが壊れた際の誤った対処法
iPhoneが壊れた際、すぐに修理に出したり新しいiPhoneを購入したりするのは一見合理的な解決策のように思えますが、実は適切な判断をするためにはもう一歩踏み込んだ考え方が必要です。
ここでは、iPhoneが壊れたときによくある誤った対処法とその理由を解説します。
修理を検討せずすぐに買い替えてしまう
修理を検討せずすぐに買い替えてしまう行為は、無駄な出費を招く可能性があります。
とくに故障の内容が軽微な場合や使用年数がまだ短い場合は、修理費用のほうが新品購入費用よりもはるかに安くつくことが多いのです。
iPhoneは、機能と性能の向上に伴い、年々端末代が高価になっています。型落ちの機種であっても10万円を下らないことも少なくありません。
AppleCare+に加入している場合には最大2年間の端末保証がつくため、まずは修理の検討をおすすめします。
さらに、修理を選択することで、データの消失を防げる可能性が高まるでしょう。
新しい端末に買い替えた場合、あらかじめバックアップを取っていなければ、故障したiPhoneに保存されていたデータはすべて失われます。それに対して修理の場合は、データはそのままで故障部分だけを修復することも可能です。
したがって、iPhoneが壊れた際には、買い替える前にまず修理することを検討しましょう。その際、使用年数や故障内容、修理費用と新品購入費用とを比較し、自身の状況に最適な選択をおこなうことが大切です。
価格だけで修理店を選択してしまう
価格だけで修理店を選択してしまうという行為は、一見経済的に見えますが、実はリスクが伴う選択肢でもあります。
まず、価格の安さのみで非正規修理店を選択した場合、修理品質が保証されないリスクがあります。非正規の修理店では、正規のAppleパーツを使用せず、代わりに安価なパーツを使って修理をおこなうことも少なくありません。これにより、一時的には問題が解決したように見えても、長期的にはさらなる故障を引き起こす可能性があるのです。
さらに重要なのは、総務省登録修理業者でない者がiPhoneを分解すると、総務省の技適マーク(技術基準適合証明)が無効になり、違法行為となる可能性があることです。技適マークの無効化されたiPhoneを使用すると、先に述べたとおり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科される可能性があります。
このような理由から、価格だけで修理店を選ぶことはおすすめできません。iPhoneの修理は、きちんと認定を受けた正規の修理店でおこなうことを推奨します。非正規修理店を選択する場合は、最低限「総務省登録修理業者」である店を選ぶようにしてください。
価格は大切ですが、それ以上に大切なのは修理後の安心感と長期的な使用です。
購入した店舗に持っていく
よく見られる誤った対処法の1つとして、「購入した店舗に持っていく」という選択肢があります。これが誤りである理由は、多くの店舗が修理に対応していないからです。
とくに通信キャリアのショップや家電量販店などでは、新しい端末の販売や契約内容の変更をメインにおこなっており、専門的な修理は取り扱っていません。
修理に関する専門知識が不足していると、本来ならば修理が可能であったり比較的低コストで修理できるはずの問題が「修理できない」と判断され、結果的に機種変更や新規契約を提案されることもあります。そうなると、本来残せたはずのデータが消失してしまった…などという事態にもなりかねません。
iPhoneが壊れた場合には、すぐに購入した店舗に持ち込むのではなく、まずはAppleのサポートに連絡したり、お近くのApple Storeに予約を取ったりすることをおすすめします。また、正規の修理サービスを提供している専門店を探すのも1つの手段です。
Apple店舗や正規修理店が遠くてすぐには行けない場合や、買い換え以外あり得ないという状況を除いては、正規修理店、もしくは総務省登録修理業者の非正規修理店に持っていくようにしましょう。
【iPhoneの故障に備えて】スマホ保険や端末保証がおすすめ!
iPhoneは、使い続けているといずれは故障する可能性を抱える消耗品です。将来的にトラブルが発生したときのために、スマートフォン保険や端末保証も考慮しましょう。
スマホ保険とは、製造業者の保証が適用されないデバイスであっても、補償を提供してくれる保険です。通常、スマホを購入した1年後までは製造業者の保証が適用されますが、それ以降は保証範囲外となります。その点、スマホ保険を利用すれば、購入から何年か経過したデバイスでも補償対象となるのです。
スマホ保険の中には、自然な故障だけでなく、水損や破損、盗難、紛失などもカバーするサービスもあります。ただし、利用できる期間などは保険商品ごとに異なるため、注意が必要です。
また、端末保証とは、対象となるデバイスが故障した場合に、修理や交換が可能なサービスのことです。スマホの端末には原則として1年間のメーカー保証がついていますが、その対応範囲は細かく限定されています。
端末保証を利用することで、より多くの問題に対応できます。
各キャリアの端末保証サービス比較表
Apple Care+ | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|
盗難・紛失プラン、ハードウェア製品保証、ソフトウェアのサポート | 故障、水濡れ、盗難、紛失などのあらゆるトラブルを補償 | データ復旧サポート、3年保証サービス、修理代金割引サービス、水濡れ・全損時リニューアルサービス | 故障、破損、水濡れ、全損、バッテリー修理交換、盗難紛失、メモリーデータ復旧サポート |
参考:AppleCare+|Apple
参考:ケータイ補償サービス|NTT docomo
参考:故障紛失サポート|au
参考:あんしん保証パックプラス(あんしん保証パック)|SoftBank
まとめ
iPhoneが壊れた場合、多くの人がまず考えるのは、購入した店舗へ持っていくことでしょう。しかし、それは必ずしも最善の策とは限りません。
購入した店舗がApple Storeや公式の販売店である場合、修理の手配をしてくれる可能性は高いですが、それでも修理期間や価格についての納得のいく対応が得られない場合もあります。
データのバックアップを取らずに修理をおこなってしまい、大切なデータが失われてしまうこともあるでしょう。
一方、購入した店舗がキャリアショップや電気量販店であった場合、スマホの修理に専門的なサービスを提供していないこともあります。その場合、修理のために別の業者に依頼する必要があり、その際の手間やコストが発生してしまいます。
買い替えと修理、いずれの場合にもメリット・デメリットはありますが、故障内容や使用状況によって最適解は異なるものです。
iPhoneが壊れたときは、情報を収集してから対処しましょう。