「家計節約のために固定費を抑えたい」「SIMフリーのスマホを検討しているものの、機種変更などが不安…」といった悩みを抱えていませんか。
SIMフリーのスマホは、購入商品や時期によっては費用を安く抑えられます。ただし、これまでキャリアショップでしてもらっていた手続きを、自分でしなければなりません。
本記事では、自身でSIMフリーのスマホを機種変更したい方に向けて、その方法や注意点を解説します。本記事を参考にすることで、お得に機種変更できるかもしれません。ぜひ最後までお読みください。
SIMフリーのスマホを自分で機種変更することは可能!
docomoショップなどのキャリアショップから買うよりも、スマホ本体のみを別途購入したほうがお得なケースは多いです。そのため昨今では、SIMフリー端末を購入し、自分で機種変更をする方が増えています。
SIMフリーのスマホへ機種変更するためには、自分でスマホを購入してSIMをそのまま入れ替える、あるいは新しいSIMに乗り換えることで完了します。
SIMフリーのスマホを機種変更する手順5ステップ
SIMフリーのスマホを機種変更する際の具体的な手順は、以下の5ステップです。
- 利用したいSIMフリーのスマホを購入する
- 端末データのバックアップを取る
- 新しい端末にSIMを入れ替える
- APN設定をする
- データ移行をする
上記の手順に沿って機種変更をおこなうことで、問題なく新しい端末を利用できるようになるでしょう。
【ステップ1】利用したいSIMフリーのスマホを購入する
まずは機種変更先するための新しいスマホを用意しましょう。
SIMフリーのスマホは、以下のような経路で購入が可能です。
- メーカー公式
- ECサイト
- 格安SIMショップ
- 大手家電量販店
- 中古ショップ
- フリマサイト など
上記のようなところでスマホを買うことで、キャリアから買う場合よりも費用を安く抑えられる可能性があります。
SIMフリーのスマホを購入するときに注意するポイント
SIMフリーのスマホを選ぶときには、以下の4点に注意しましょう。
- 契約プランの通信規格(5G・4G)と一致しているか
- キャリアの周波数帯に対応しているか
- SIMカードのサイズが合っているか
- 中古品の場合は赤ロムではないか
通信規格やキャリアの周波数帯を確認しておくことで、想定外のトラブルを避けやすくなります。
契約プランの通信規格(5G・4G)と一致しているか
SIMフリー端末を購入する際には、契約プランの通信規格を確認することが必要です。
端末が5Gでキャリアの契約プランが4Gとなっているなど、通信規格が一致していない場合は、動作保証の対象外となってしまいます。
実際に通信ができないわけではありませんが、キャリアは非推奨としているため、動作に問題が生じても責任・サポートの範囲外となります。
購入前には、契約プランの通信規格と端末の通信規格が一致しているかを必ず確認することが大切です。
参考:5Gのご契約とご利用機種に関するご注意事項|NTTドコモ
キャリアの周波数帯に対応しているか
SIMフリーのスマホに機種変更する際には、端末とキャリアの周波数帯の適合性についてもチェックしましょう。端末がキャリアの周波数帯に対応していなければ、通信ができません。
各キャリアによって周波数帯は異なり、機種ごとに接続できる周波数帯も違います。
以下は、2023年に発売された機種における周波数帯の一例です。
機種 | 周波数帯 | |||||||
5G | ||||||||
2.0GHz帯 | 700MHz帯 | 3.4GHz帯 | 3.5GHz帯 | 3.4GHz~3.5GHz帯 | 3.7GHz帯 | 4.5GHz帯 | 28GHz帯 | |
n1 | n28 | n78 | n79 | n257 | ||||
Google Pixel 8 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
Google Pixel 8 Pro | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Xperia 5 V SO-53D | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Galaxy Z Fold5 SC-55D | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Galaxy Z Flip5 SC-54D | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
上表のとおり、周波数帯には「2.0GHz帯」「700MHz帯」といったように、端末ごとに細かく対応可否が存在します。
ご自身の端末とキャリアの周波数帯をHPなどから確認しましょう。なお、iPhoneは幅広い周波数帯に対応しています。
参考:au携帯電話などの対応周波数帯一覧|au
参考:SIMロックが解除可能な機種及びSIMフリー機種の周波数帯一覧|Softbank
SIMカードのサイズが合っているか
SIMフリーのスマホを購入する際には、SIMカードのサイズ確認も必須です。SIMカードのサイズが合っていないと新しい端末に差し込みができず、利用できません。
SIMカードのサイズには、以下の3種類があります。
- 標準SIMカード:25mm×15mmのSIMカード
- microSIM:15mm×12mmのSIMカード
- nanoSIM:12.3mm×8.8mのSIMカード
現在使われているSIMカードの大半は、ICチップサイズのnanoSIMカードです。そのため、サイズについてあまり心配する必要はありませんが、念のため確認しておくとよいでしょう。
中古品の場合は赤ロムではないか
中古ショップやフリマサイトで中古品を購入し、その端末が赤ロムであった場合は、端末は使用できません。
赤ロムとは、端末の支払いに問題があるなどの理由から、ネットワーク制限をかけられているスマホを指します。
赤ロムの場合、SIMを入れたとしても、電話やモバイル通信を利用できません。事前にスマホの端末識別番号(IMEI)を確認し、赤ロムでないか見分けることが重要です。IMEIを各キャリア会社の照会ページで検索すると、制限の有無を確認できます。
参考までに、IMEIで端末の制限状況を照会できるauのページです。
docomoやSoftbankなどほかのキャリアにおいても同様に、IMEI別の端末の制限状況を確認できるページがあります。ネットワーク利用制限の有無を確認しておけば、安心して購入できるでしょう。
【ステップ2】端末データのバックアップを取る
スマホのデータは、主に端末に保存されています。古い端末のデータを新しい端末に移す際には、必ずバックアップを取るようにしましょう。
端末に保存されるデータの代表例として、写真・動画・連絡先・アプリ・端末の基本設定などが挙げられます。
現在は、iPhone・Android共にクラウド上でバックアップを取るのが主流です。クラウドでバックアップを取っておけば、新しい端末だけでなく、PCやタブレットからもアクセスできます。
iPhoneの場合はiCloud、Andoidの場合はGoogleアカウントを利用するとよいでしょう。
バックアップに関しては、データ移行の際にまとめてバックアップを取るのではなく、「自動でバックアップ」を有効にし、日頃からバックアップを取っておくことがおすすめです。定期的にバックアップを取っておけば、故障や紛失で突然使えなくなった際にもデータを復元できます。
【ステップ3】新しい端末にSIMを入れ替える
バックアップがとれたら、実際に旧端末から新しい端末へとSIMを入れ替えましょう。SIMはモバイルデータ通信に必要です。
SIMには「SIMカード」と「e-SIM(スマホに内蔵された本体一体型のSIM)」があり、それぞれ入れ替え方法が異なります。
SIMカードなら物理的に挿し替えるだけですが、e-SIMの場合は少々煩雑です。それぞれのポイントについて解説します。
SIMカードの場合
SIMカードを新しい端末に挿し替える際には、以下の点に注意しましょう。
注意点 | 注意を怠った場合 |
---|---|
電源をOFFにする | 電源が入った状態でSIMカードを挿し替えるとSIMカードや端末が破損するリスクがある |
向きやサイズを正しく入れる | 間違った方法での挿入は端末がSIMカードを認識しなかったり故障の原因になる |
ICチップ部を触らない | ICチップに指紋や汚れが付着すると情報の読み取りが妨げられたりカードが故障したりする可能性がある。 |
静電気に注意する | 静電気はSIMカードにダメージを与えやすい |
SIMカードは集積回路が組み込まれているため、非常に精密です。ぞんざいに扱うと、故障につながってしまいます。
上記のポイントに注意して、SIMカードを挿し替えましょう。
e-SIMの場合
e-SIMの場合、SIMカードの挿し替えとは違って手続きが必要となるため、少々煩雑です。
e-SIMの入れ替えの方法は、キャリアごとに異なります。オンラインで手続きができる場合もあれば、キャリアで機種を購入していないがために店頭にて有料で対応してもらわなければならない場合もあります。
【ステップ4】APN設定をする
SIMカードを入れ替えたあとには、APNの初期設定が必要です。APNは、スマホをインターネットに接続するために必要な設定です。
キャリアで購入したスマホであれば基本的にAPNはすでに設定されていますが、SIMフリースマホの場合は自身で設定しなければなりません。
APN設定の方法は、iPhoneとAndroidで異なります。それぞれの設定方法を確認しましょう。
iPhoneのAPN設定方法
iPhoneの場合はAPN設定手続きが簡単であり、プロファイルを端末にインストールするだけで完了します。iPhoneの公式ページを参考に、APN設定用の構成プロファイルをインストールしましょう。
以下いずれかの画面でAPNの設定を表示でき、その画面からAPNのインストールが可能です。
- 「設定」>「モバイル通信」>「モバイルデータ通信ネットワーク」
- 「設定」>「モバイルデータ通信」>「通信のオプション」>「モバイルデータ通信ネットワーク」
デバイスにいずれのオプションもない場合は、通信事業者にお問い合わせください。
キャリアによっては、自動入力で簡単に設定できる場合もあります。
AndroidのAPN設定方法
AndroidのAPN設定方法としては、「設定」から自身で入力する必要があります。
「設定」>「ネットワークとインターネット」>「モバイルネットワーク」>「アクセスポイント」>「APNを選択」>「各項目に情報を入力」>「保存」
以上の流れでAPN情報を入力します。
ただし端末によっては設定画面名が異なるため、キャリアの公式サイトやSIMカードに付属するガイドを参照して進めると、問題なく設定できるでしょう。
【ステップ5】データ移行をする
最後に、データを移行して、機種変更は完了です。
アプリによっては、個別に引き継ぎ作業が必要となります。とくにLINEやゲームは、引き継ぎに失敗するとデータが消えてしまうケースがあります。
ここからは、具体的にどのようにデータを移行していけばよいのか、見ていきましょう。
【OS別】端末データを引き継ぐ方法
旧端末、新端末のOSごとに移行方法は異なり、全部で4パターンあります。
iPhone同士・Android同士の場合であれば、データ移行は簡単におこなえるはずです。
- iPhoneからiPhoneの場合
- AndoidからAndoidの場合
- AndoidからiPhoneの場合
- iPhoneからAndoidの場合
では、それぞれの引き継ぎ方法の流れを解説します。
iPhoneからiPhoneの場合
iPhoneからiPhoneに移行する場合は、クイックスタートを利用することで、簡単にデータ移行ができます。
- Wi-Fiに接続されていて、Bluetoothが有効になっていることを確認
- 新しい端末の電源を入れて、現在使っている端末の近くに置く
- 画面の案内に従って設定を進める
- 端末をWi-Fiまたはモバイルデータ通信ネットワークに接続する
- Face IDまたはTouch IDを設定する
- データの転送方法を選択し転送を開始する
データの移行が終わるまでは、2台の端末を電源につなぎ、互いに近づけてください。
転送時間は、ネットワーク状況や転送するデータ量などによって変わります。
参考:クイックスタートを使って新しい iPhone や iPad にデータを転送する|Apple
参考:iPhoneのデータ移行は「クイックスタート」が便利!手順と注意点を解説|au
AndroidからAndroidの場合
AndroidからAndroidに移行する場合は、Googleアカウントを利用することで、スムーズにデータ移行がおこなえます。基本的には、新しい AndroidスマホでGoogleアカウントを追加すれば、バックアップされたデータ・設定が新しいスマホに移行できます。
- 新しいスマホの電源を入れ、「開始」 をタップ
- 以前のスマホからアプリとデータをコピーするメニューを選択
- 移行完了
上記の手順でデータの移行は完了です。
スマホ同士を接続するケーブルを持っていれば、画面上の手順に従ってデータをコピーできます。ケーブルがない場合も、画面の手順に沿って設定をすることで、データをコピーさせられます。
参考:スムーズな機種変更のために覚えておきたい Android のデータ移行|Android
AndroidからiPhoneの場合
AndroidからiPhoneに移行する場合、「iOSに移行」アプリを用いれば、データ移行ができます。
その際の手順は、以下の大まかな流れを参考にしてください。
- 新しいAppleデバイスの電源を入れてAndroidデバイスに近づける
- Appleデバイスで画面の案内に沿って設定を進める
- 「Android からデータを移行」をタップする
- コードを入力する
- 画面の指示に従ってiOSデバイスを設定する
基本的に、「iOSに移行」アプリの画面の指示に従えば、滞りなく設定が完了します。
なお、Android専用アプリなど一部引き継ぎできないデータも存在することには、注意が必要です。
参考:Android から iPhone、iPad、iPod touch に移行する|iPhone
iPhoneからAndoidの場合
iPhoneからAndoidに移行する場合は、「Androidに移行」アプリを用いれば、データ移行ができます。
データ移行の大まかな流れは、以下のとおりです。
- デバイス同士を接続する(ケーブルもしくはWi-Fi)
- データを選択する
- 転送する
基本的には2台の端末をつなぎ、選択して転送するだけで、連絡先や写真などをコピーできます。
ただし、iPhone専用アプリなど一部引き継ぎができないデータも存在しますので、ご注意ください。
参考:iPhoneからAndroidへの移行をシームレスに|Android
【注意】アプリによっては個別に引き継ぎが必要
アプリによっては個別に引き継ぎ作業をおこなう必要があります。
端末の引き継ぎではデータ移行ができず、個別の設定が必要になるものとして、次のようなアプリが代表例です。
- LINE
- スマホ決済
- 一部のスマホゲーム
上記のアプリについては、運営元が個別にデータ引き継ぎ手順を公開していますので、そちらを確認しましょう。
参考:あんぜん引継ぎガイド|LINE
参考:ゲームのデータ引継ぎはできるの? バックアップ方法は?| Y!mobile
機種変更後には保証が受けられるスマホ保険への加入がおすすめ!
自身で端末を購入した場合には、スマホ保険に入ることがおすすめです。中古のSIMフリースマホをメーカーやEC、家電量販店などで買った場合に無償修理できるのは、メーカー保証の範囲に限られます。
メーカー保証とは、製品の取り扱い説明書のとおりに使用をしたにも関わらず故障が発生した際に、無償修理をおこなってもらえる保証です。メーカー保証が必要となるケースは非常に稀で、落としたり水没させたりして故障となった場合には保証の対象外となります。
しかし、スマホ保険に加入していれば、メーカー保証では対象外となる故障や破損であっても、修理代金が補償されます。「AppleCare+」や「ファーウェイ安心ケア」、そのほかの民間企業が提供する保険などから、任意のものを選択するとよいでしょう。
参考:AppleCare製品| Apple(日本)
参考:ファーウェイ安心ケア|【HUAWEI】公式サイト
まとめ
SIMフリー端末を自分で購入し機種変更をすれば、費用を安く抑えられる可能性があります。
ただし、端末を購入する際には、契約プランの通信規格が一致しているか、赤ロムではないかをしっかりと確認しましょう。場合によっては、せっかく購入したにも関わらず利用できない可能性があります。
また購入後、実際に自分で機種変更をするときには、端末データのバックアップを取ることや、適切な手順に沿って利用設定・データ移行をしていくことが大切です。
お得なSIMフリー端末デビューを考えているのなら、ぜひ本記事を参考にしてみてください。