スマホを機種変更する上で、機種代金の高さがネックとなることも多いでしょう。
できるだけ安くスマホを購入したいと、中古スマホを選択肢にする方も増えてきました。
しかし、中古スマホを購入する際には、赤ロムに注意しなければなりません。赤ロムとは、端末代金の支払いが残っているスマホのことです。「赤ロム」と聞いてもピンとこない、いまいちわからないという方も少なくないかと思います。
本記事では、赤ロムについて、その概要や原因、見分け方や購入リスクを回避する方法などを解説していきます。中古スマホの購入を検討している方は、思わぬトラブルに見舞われず済むよう、本記事の内容をぜひ参考にしてください。
赤ロムとはネットワーク利用制限を掛けられている端末のこと
そもそも、「赤ロム」という名称自体を聞いたことがない、聞いたことはあっても実際にどのようなものなのか知らないという方も多いことでしょう。
赤ロムとは、以前の所有者が端末代金を全額支払っていないなどの理由で、ネットワークの利用制限が掛けられている中古スマホのことです。ネットワーク制限の掛かっているスマホは、SIMカードを挿入しても、通話・データ通信ができません。
ここでは、赤ロムに関して以下2つの視点から解説します。
- 赤ロム化することによるデメリット
- 白ロムや黒ロムとの違い
まずは、赤ロムとはどのようなものなのかをしっかりと把握しましょう。
赤ロム化することによるデメリット
スマホが赤ロム化することによるデメリットは、大きく分けて2点あります。
1つ目は、制限の掛かったキャリア回線を使用できないことです。一度ネットワーク利用制限を掛けられてしまった場合、基本的に解除されることはなく、その回線では通話や通信ができなくなってしまいます。
2つ目は、端末の価値が急落することです。赤ロム化したスマホは、売却不可とされることも少なくありません。仮に売却できたとしても、安値で買い取られてしまうでしょう。スマホを中古で売却するのはある程度まとまったお金を得たい場面も多いことを考えると、赤ロムは売却においても非常にデメリットがある端末といえます。
白ロムや黒ロムとの違い
赤ロムと似た言葉に、「白ロム」「黒ロム」というものがあります。
白ロムとは、SIMカードの抜かれたスマホのことです。
すでにSIMカードを持っていれば機種変更など容易にできます。しかし、本体代金の支払いが終わっていない状態だった場合、前の所有者が支払いの滞納を続けると、赤ロムになってしまう可能性も否めません。また、中古の白ロムである場合は、バッテリーの劣化などスマホを利用する上でのリスクも考えられるため、赤ロムになっていなくても注意して購入する必要はあります。
一方で、黒ロムとは、SIMカードが挿入されており、通信回線が利用できる端末のことを指します。購入後すぐに通話や通信ができるのは利点ですが、携帯電話不正利用防止法により、黒ロムを販売できるのはMNO・MVNOといった限られた通信業者のみであることも覚えておきましょう。
赤ロム化する4つの原因
スマホが赤ロム化する原因には、主に以下の4つが挙げられます。
- 分割支払金の未払いが続いた場合
- 補償サービスを使用した場合
- 盗難されて手続きを行った場合
- 不正契約の発覚した場合
赤ロムの原因について詳しく見ていきましょう。後ほど触れる「赤ロムの見分け方」や「赤ロムのスマホを購入するリスク」にも通ずる部分があるので、ぜひ参考にしてください。
1.分割支払金の未払いが続いた場合
端末料金が未払いのスマホが赤ロム化するのは、これまで触れてきたとおりです。
ここでいう「未払い」とは、一括払いだけでなく、分割払いのスマホも対象となります。
スマホの端末本体は、分割払いで購入されることが少なくありません。分割払いという性質上、中古スマホには未払い料金が残っている可能性もあります。
たとえ分割代金が残っていても、以前の所有者が支払いを続けていれば問題はありません。しかし、以前の所有者が分割料金を滞納した場合、その時点でネットワークの利用制限が掛かってしまいます。購入時には大丈夫であっても、いずれ赤ロムになってしまう可能性は高まるでしょう。
2.補償サービスを使用した場合
補償サービスを使用した中古スマホも、赤ロム化している場合があります。
以前の所有者がスマホを中古品として手放したにもかかわらず、盗難・紛失を騙って、不正に補償サービスを受ける事例があるのです。
こういった事態を防ぐために、補償サービスを利用したスマホは、ネットワーク利用制限を掛けられ赤ロム化する場合があります。
以前の所有者がスマホを手放したあとにどのような行動をとるかは予測できないため、補償サービスの利用を食い止める手段がないのも厄介な点です。残念ながら、明らかな悪意を持ってスマホを手放し、補償サービスを利用してしまうユーザーが少なからずいることも認識しておきましょう。
3.盗難されて手続きを行った場合
盗難されたスマホも、赤ロム化する可能性があります。
中古販売店などからスマホが盗難された場合、追跡機能などを使い特定した上で利用停止に至るケースがほとんどです。
また、盗難届の出されているスマホも、赤ロム扱いとなります。盗難届が出ているスマホを購入しても罪には問われませんが、思わぬトラブルに直面してしまう可能性があるため、注意が必要です。
盗難届の有無を確認しないで中古スマホの販売を行う業者がいた場合、その業者で購入したスマホは赤ロム化している可能性があります。したがって、中古スマホの購入そのものに、ある程度のリスクが潜んでいることを認識しておきましょう。
4.不正契約が発覚した場合
中古で購入したスマホが、不正契約により利用されていたものと発覚した場合も、赤ロムになってしまいます。
不正契約に関しても、購入するユーザーには悪意がないものです。しかし、回線の転売目的や虚偽の個人情報を利用して契約されているスマホは、購入者の意思に関係なくネットワーク制限が掛けられてしまいます。
購入後に、不正契約が発覚した場合、ある日突然赤ロム化してしまうリスクがあります。不正契約であるスマホかどうか、購入時点では判断が難しい点も、厄介なポイントです。
赤ロムを見分ける3つの手順
中古スマホが赤ロムか見分けたい場合は、以下に挙げる3つの手順を踏むことが大切です。
- 製造番号(IMEI)を確認する
- キャリアの確認サイトでIMEIを入力
- 判定結果を確認する
赤ロムの購入を未然に防ぐために覚えておきたい見分け方について、詳しく解説します。
赤ロムを購入してしまうと、罪には問われないもののトラブルに見舞われる可能性が高いため、ここで挙げる見分け方をしっかり覚えておきましょう。
手順1.製造番号(IMEI)を確認する
中古スマホが赤ロムかどうかを見分けるための方法に、製造番号である「IMEI(International Mobile Equipment Identifier)」の確認が挙げられます。
IMEIは、15桁からなる端末の識別番号のことです。
購入した中古スマホのIMEIを確認する際には、iPhoneとAndroidそれぞれで異なる確認方法を知っておくべきです。
iPhoneでIMEIを確認する方法 | AndroidでIMEIを確認する方法 |
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「設定」をタップ「一般」をタップ「情報」をタップIMEIを確認 | 「設定」をタップ「システム」をタップ「端末情報」をタップIMEIを確認 |
また、該当端末をすでに使用している場合、電話の画面から「*#06#」と入力することでIMEIを表示できます。
手順2.キャリアの確認サイトでIMEIを入力
IMEIを確認したら、各携帯電話会社のIMEI照会ページにアクセスし、IMEIを入力してネットワーク制限が掛かっているか否かを確認しましょう。
各キャリアの照会ページは、以下をご確認ください。
いずれのキャリアも、IMEIさえ確認できていれば、入力するだけで簡単に照会可能です。IMEIを確認できない場合は、中古スマホの購入店に問い合わせるか、各キャリアの相談窓口に連絡を入れてみましょう。
手順3.判定結果を確認する
手順2で掲載している各キャリアの照会ページにIMEIを入力することで、購入した中古スマホが赤ロムであるかどうかを確認できます。判定結果は「〇」「△」「✕」「-」の記号で表示されることを覚えておきましょう。
- 〇:利用可能なスマホ(ネットワーク利用制限は掛かっていない)
- △:利用可能なスマホ(利用制限は掛かっていないが、今後制限される可能性がある)
- ✕:赤ロムであるため利用不可のスマホ(ネットワーク利用制限が掛かっている)
- -:確認不能(キャリアが違う、入力ミスなどの理由が考えられる)
それぞれの記号が表示された際にどう判断すべきかを把握・理解し、購入したスマホが赤ロムかどうか最終確認する上でお役立てください。
赤ロムを購入してしまうリスクを避ける方法
赤ロム化したスマホは、以下に挙げる方法を実践することで、リスクを回避することが可能です。
- 保証がある販売店で購入する
- 購入前に赤ロムか確認する
赤ロム化したスマホは、たしかに安く購入できるものの、購入後のデメリットが大きいため、ここでご紹介する方法を参考にリスクを回避してください。
保証がある販売店で購入する
中古スマホ保証のある販売店で購入することで、赤ロム化したスマホのリスクを回避できます。
中古スマホは、購入後に補償サービスを利用されたり、不正契約が発覚したりすると、利用そのものができなくなってしまいます。これらの事象は、購入前ではなく、あくまで購入後に起こることであるため、事前の対策が難しいでしょう。
その点、返金・交換保証のある店舗で購入すれば、購入後に赤ロム化してしまっても対応可能です。反対に保証のない店舗で購入してしまうと、購入後の赤ロム化を受け入れるしかなくなるため、注意しましょう。
購入前に赤ロムか確認する
赤ロム保証を取り扱っていない店舗しか近隣にない場合は、購入前に対象のスマホが赤ロム化しているか、もしくは赤ロム化する可能性があるかを確認しなければなりません。
購入前に赤ロム化しているか確認できれば、購入後のリスクを回避できるでしょう。
中古スマホを購入する前に赤ロム化の危険があるスマホか確認したい場合は、「赤ロムを見分ける3つの手順」の項目で解説した以下の方法を実践しましょう。
- 製造番号(IMEI)を確認する
- キャリアの確認サイトでIMEIを入力
- 判定結果を確認する
判定結果が「✕」の場合はすでに赤ロム化しているので、購入を控えましょう。また、IMEIを確認させてもらえない店舗や「△」の端末の場合も、赤ロム化する危険性があるため、購入しないほうが賢明でしょう。
赤ロムを購入した・赤ロム化した場合の4つの対処法
ここまで、赤ロム化したスマホの見分け方や、赤ロムを購入してしまうリスクを回避する方法について解説しました。
しかし、注意深く赤ロム化したスマホを回避しようとしても、誤って購入してしまう、もしくは購入後に赤ロム化してしまう可能性は0ではありません。
最後に、赤ロムを購入した場合、購入後に赤ロム化した場合に実施したい4つの対処法をご紹介します。
- 購入した店舗に相談する
- 他のキャリアを利用する
- 買い取り業者に売却する
- Wi-Fiを利用して使用する
それぞれしっかりと把握し、万が一に備えましょう。
1.購入した店舗に相談する
スマホが赤ロム化したら、まずは購入した店舗に相談しましょう。
購入先店舗が中古スマホの保証対象の店舗であれば、購入後の赤ロム化にも対応可能です。保証対象の店舗に相談することで、スマホの交換、もしくは返金などの対応が受けられます。
ただし、購入した店舗が保証をおこなっていない場合、当然ながら交換・返金の対象外です。保証対象外の店舗で購入してしまったスマホが赤ロム化したら、後述の対処法を実施してください。
2.他のキャリアを利用する
中古スマホに関する保証を受けられない場合は、ほかのキャリア回線を利用するのも1つの手です。
保証を受けられず、既存のキャリア回線が利用できない場合は、回線を替えてしまうことも視野に入れましょう。
たとえば、SoftBankのネットワークに制限をかけられた場合は、docomoもしくはau、楽天モバイルのキャリア回線を利用する、などです。ただし、ほかのキャリア回線を利用する際には、SIMロックが掛かっていないことが条件となります。
3.買い取り業者に売却する
購入店舗で保証を受けられず、ほかのキャリアを利用する方法も難しいとなった場合は、購入した中古スマホを手放してしまいましょう。
買い取り業者に依頼することで、赤ロム化したスマホを引き取ってもらえます。ただし、赤ロム化したスマホは価値がつきにくく、買い取り価格が高額になることほとんどありません。とはいえ、手放す際に費用がかからないのも事実なので、赤ロム化したスマホをスムーズに手放す手段として検討してみてはいかがでしょうか。
なお、先に触れたとおり、赤ロム化したスマホは価値がつきにくいので、個人間のやり取りが多いフリマアプリやオークションサイトではなく、買い取りを専門とした業者に買い取ってもらうのがよいでしょう。
4.Wi-Fiを利用して使用する
赤ロム化したスマホは、通話やSNSの利用などができません。しかし、Wi-Fiを利用すればアプリの起動・利用は可能です。そのため、赤ロム化したスマホを、アプリ利用専門のデバイスとして利用する方法も、選択肢の1つに挙げられます。
赤ロム化したスマホをアプリ専用機にすれば、メインで使用しているスマホの容量やバッテリーを節約することが可能です。ただし、あくまでWi-Fi環境がないと利用できなくなるため、外出先での利用に制限が掛かりやすい点に注意してください。
まとめ
本記事では、赤ロム化したスマホについて解説しました。
赤ロムとは、端末の支払い代金が残っていたり、盗難されたりしてネットワーク利用制限の掛かったスマホのことを指します。赤ロム化したスマホは、現在使えないだけでなく、再度利用することも困難です。
スマホの赤ロム化は、IMEIを確認し、各キャリアの確認サイトに入力することで見分けられるので、中古スマホを購入する際には必ず確認するようにしましょう。また、保証つきの店舗で購入したり、買い取りに出したりすることで、赤ロム化したスマホのリスクを回避・対処できます。
中古スマホの購入は、毎月の料金を安く抑えるためにおすすめの方法です。しかし、本記事でご紹介した赤ロム化のリスクがあることを前提にしておかないと、購入後に思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
あらゆるリスクを把握・承知した上で購入・使用することが大切です。